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今年こそ“セはパよりすごく弱い”を覆せるか 交流戦15年間で引き離された勝敗差、要因は原監督も提言したDH制と…
posted2021/05/26 11:02
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Kyodo News
2005年に交流戦が始まったころ、注目されたのは「セ・パどちらが強いのか?」だったが、最近は「セ・リーグはなぜこんなに弱いのか?」が話題の中心になっている。主催者のNPBにとっても、ファンにとってもこれは全く予想外だっただろう。
2020年は中止になったが、2005年から2019年まで15シーズンの交流戦の勝敗はこうなっている。以下、勝率はすべてパ・リーグから見たものとなっている。
パ1098勝/セ966勝/60分
勝率.532
15シーズンのうち、14シーズンでパ・リーグが勝ち越している。それだけではない。15シーズンを5シーズン刻みで見て行くと以下の通りだ。
2005年~2009年
パ427勝/セ418勝/19分
勝率パ.505
2010年~2014年
パ377勝/セ312勝/31分
勝率パ.547
2015年~2019年
パ294勝/セ236勝/10分
勝率パ.555
5年単位で、パ・リーグがセ・リーグをじりじりと引き離しつつあるのだ。
ソフトバンクは2勝1敗を上回るペース
ここ5年間の勝敗を球団別に見ていこう。
<パ・リーグ>
ソフトバンク59勝28敗3分 率.678
西武49勝38敗3分 率.563
日本ハム47勝41敗2分 率.534
ロッテ47勝43敗0分 率.522
楽天47勝43敗0分 率.522
オリックス45勝43敗2分 率.511
<セ・リーグ>
広島44勝44敗2分 率.500
巨人41勝49敗0分 率.456
阪神39勝48敗3分 率.448
中日38勝51敗1分 率.427
DeNA37勝51敗2分 率.420
ヤクルト37勝51敗2分 率.420
パ・リーグは6球団すべてが勝ち越している。ソフトバンクに至っては2勝1敗を上回るハイペース。白星を荒稼ぎしているのだ。
これに対してセ・リーグは広島が辛うじて五分だが、他の5球団はすべて負け越しているのだ。
過去5年の日本シリーズ勝率はパが.800
セ・パの大差は交流戦だけではない。過去5年の日本シリーズの勝敗もである。