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プロ野球で続出中「引き分け」名勝負ベスト5 史上最長はノムさんの猛抗議で6時間26分…では史上最多イニングは何回?

posted2021/05/26 17:01

 
プロ野球で続出中「引き分け」名勝負ベスト5 史上最長はノムさんの猛抗議で6時間26分…では史上最多イニングは何回?<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

幻となる八木裕のサヨナラホームランに喜ぶ阪神の選手たち。抗議の末2塁打になり、長い延長戦が始まった

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小西斗真

小西斗真Toma Konishi

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Sankei Shimbun

 日本プロ野球で引き分けが大量発生中である。

 これは予想通り。新型コロナの感染拡大により、同点でも延長戦はなく、9回打ち切りの特別ルールだからだ。交流戦開幕前日の5月24日時点で、両リーグで272試合を消化しているが、引き分けは約14%の38試合。全日程(858試合)終了時に当てはめると、120試合ペースである。

 5月16日には史上最多となる1日4引き分け。その4日前にはタイ記録の3引き分けがあったばかりだった。シーズンの過去最多は2012年(864試合)の74引き分け。チームでは1982年(130試合)の中日の19引き分けだが、どちらも更新されそうだ。

 4月25から28日のオリックスは、3試合連続引き分け。まさかと思ったら、そんなチームが過去に9チーム(うち2組4チームは同一カード)もあった。勝ってはいないが、負けてもいない。喜べないが、悔しさもビミョー。白黒ハッキリつけないのは、ある意味で日本的。味気ないはずの引き分けが、実は意外とおもしろい。引き分けにもドラマあり。以下、引き分け名勝負(?)を列記した。

日本シリーズ唯一の第8戦を生んだ引き分け

第5位
 1986年10月18日、広島対西武の日本シリーズ第1戦(広島)は9回にドラマが待っていた。2点を追う1死から、小早川毅彦に続いて、この年限りで現役を引退するミスター赤ヘル・山本浩二が起死回生の同点ソロを放った。このまま延長14回、両チーム譲らず。日本シリーズ史上、引き分けは8試合あるが、雨や日没、時間制など適用ルールは何度も変更されている。

 この激闘は文字通りの序章だった。シリーズ史上唯一の第8戦までもつれ込んだのだ。広島は第2戦から3連勝で一気に王手をかけたが、西武も第5戦から3連勝。ゲームセブンならぬゲームエイトも1点差だった。MVPは工藤公康。語り草となる名勝負のスタートは引き分けだった。

【次ページ】 試合終了0時26分? 第4位~第2位

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