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【体操代表最終選考】最年少代表から55位予選落ちまで低迷…平岩優奈の恐怖心を打ち消した「結果よりも大切なこと」とは 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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posted2021/05/09 06:00

【体操代表最終選考】最年少代表から55位予選落ちまで低迷…平岩優奈の恐怖心を打ち消した「結果よりも大切なこと」とは<Number Web> photograph by AFLO

4月の全日本選手権、段違い平行棒決勝の演技後、笑顔を見せる平岩。大会前にふと思い立ち、髪をピンク色に染めたという

 その後も怪我を負う時期が生じたこともあって、2015年の全日本選手権は24位、2016年は棄権、2017年は33位で予選落ち、2018年は55位予選落ち……と成績は沈み続けた。

 ただ、そのまま立ち止まりはしなかった。

 約2年前、拠点を武庫川女大から戸田スポーツクラブに移す決断をする。

「ここからが私の新たなスタート」

 強い決意とともに、同クラブで1996年アトランタ五輪代表の豊島リサコーチの指導を受けた。やがて恐怖心も消えていき、体操をできる喜びをあらためて感じられるようになった。

 コーチから「結果よりも自分らしい体操を出し切ること」の大切さをアドバイスされれば、それをしっかり受け止め、いかすことに努めた。

 移籍後、少しずつ復調し、迎えたのが今年4月の全日本選手権であり、手にしたのが表彰台入りという成績だった。

平岩が目指す「きれいな」体操

「演技でも何かを伝えられる選手」であることを心がける平岩は、自分の武器はかねてから周囲の評価も高かった「きれいな体操」をする点だと考える。

 全日本決勝でのEスコア(技の完成度、美しさを示すもの。出来ばえ点)は合計33.599。優勝した村上茉愛を上回り全体の2位であったのは、武器をいかし、目指す方向性を一定以上のレベルで体現できたことを示している。

 リオデジャネイロ五輪のときは代表選考に挑戦する位置につけることができなかった平岩は、今回代表入りを意識できる実績を引っ提げ、五輪切符をかけてNHK杯を迎えることになる。一方、当然巻き返しをかけてNHK杯に臨む選手たちがいる。

 その決戦は熾烈な争いになるだろう。ただ、平岩の全日本後の様子に気負いは感じられない。

「きれいな体操をして、Eスコアを高くしてDスコア(演技評価点)も上げることができるようにしたいです」

 何よりも大切なのは自分の体操を示すことであること。NHK杯でもそれを貫こうとしている。

 そして体操ができるうれしさを感じられる土台がある。

 失った時間と、そこで得た糧とともに、平岩は大一番でどのような体操を表現するのか。

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