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鉄棒に専念した内村航平にも可能性が? 東京五輪、体操団体総合の代表選考基準が変更へ
posted2021/01/17 17:00
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
KYODO
1月13日、日本体操協会は常務理事会を開き、東京五輪の代表選考基準の枠組みを決めた。
その中で目をひいたのが、団体に関してだ。団体は4名を代表とし、4月に開催が予定されている全日本選手権と、5月に予定されるワールドカップ東京大会との合計得点で最上位の選手をまず1人目として選出。2人目は5月のNHK杯の優勝者で、もし優勝者が先の基準で選ばれた選手と同一の場合はNHK杯の2位の選手が選ばれる。
残る2名の選考方針が興味深い。
どうにもならない両肩痛が原因で……
これまではNHK杯の出場が必要、つまり個人総合の成績が必要とされてきたが、今回話し合われた中では先に代表になった2名とチームを組んだとき最も高い得点となる、チーム貢献度が高いと判断できる選手を選出するとした。
その中身については具体化していない。
今後どのように定められていくのか、あるいは今回打ち出した方針のままとなるのか。それはまだ分からないが、現段階では従来から変化したことにより、団体総合の代表に可能性が生じた選手がいる。
12年、16年五輪の個人総合金メダリスト、内村航平である。
内村は昨年2月、個人総合をあきらめて鉄棒に専念することを決めた。どうにもならない両肩痛が原因だった。その中でどうすれば体操選手として生き抜いていけるか、オリンピックを目指せるかを考えた末にたどり着いたのが鉄棒に集中するという選択だった。
鉄棒という1種目に絞ったのは、オールラウンダーの内村が最も得意とする種目であり、肩への負担を考えてのことだった。