大山加奈のVolleyball is Life BACK NUMBER
「生理痛や生理不順を放っておいたまま……」大山加奈が10代の選手に伝えたい“自分の身体を知ること”
posted2020/12/14 17:00
text by
大山加奈Kana Oyama
photograph by
Yohei Osada/AFLO SPORT
女性の身体について。今、自分が妊娠中でもあることから、これまで以上に考える機会が増えました。
なかでも生理に関しては、悩まされている女性アスリートも多いのではないでしょうか。私は中学生の頃に初潮を迎えましたが、生理痛もなく、生理不順もなく、特別悩んだことはありませんでしたが、同級生や先輩、後輩の中には毎回鎮痛剤を飲まなければ動けない選手や、鎮痛剤すら効かないほど重く、試合にも出られなかった選手もいました。高校生の頃には、3年間生理が止まってしまった選手もいました。
残念なことに、おそらくこれらは私の学生時代が特別だったわけではなく、今も同じであるはずです。当時よりも多くの情報を得られる時代になっていますが、若い女性アスリートたちに向け正しい対応、教育がなされているかというと少し疑問を感じます。
10代の選手たちに考えてほしい
私自身も若い頃から正しい知識を身につけてきたかと言えば、答えはノーです。
生理は月に一度程度おとずれるものですが、異常があってもそれが当たり前のことになっていて「おかしい」と感じませんでした。たとえば、チームメイトの中には毎月痛みと出血がひどく、貧血を改善するために注射で鉄剤を投与していた選手もいたんですが、私はそれが異常なことだとは考えもせず「毎月ひどくて大変だね」という程度にしかとらえていませんでした。
でも、今は違います。もしもその生理痛や生理不順を放っておいたまま、いつか大人になって、子どもを授かりたいと思った時になかなかできなかったらどう思うか。目先の試合で勝つこと、そのために苦しく厳しい練習をして、睡眠時間を削るような不規則な生活を重ねた結果、望んだ人生が手に入らないこともあるかもしれません。
競技で成果を残すことばかり考えていた頃はそれでよくても、大人になってからでは取り返しがつかないこともあります。だからこそ若い頃、特に10代の選手たちこそよく考え、知らなければならない大きな問題であるはずです。