炎の一筆入魂BACK NUMBER
カープの育成ドラ1は“鈴木誠也以来の逸材” 18歳二俣翔一は「激戦の捕手争い」を勝ち上れるか?
text by
前原淳Jun Maehara
photograph bySankei Shimbun
posted2021/04/28 06:01
20年のドラフト会議で、広島に育成1位で入団した二俣翔一
「俺自身もそうだったけど、高校から入ったプロ1年目って、めちゃくちゃしんどい。(出場機会が少ないことで)マイナスは1つもない。20歳過ぎるまではあまり無理をさせたくないというのが本音。ビジターだけDHで出るだけでもいいし、捕手の練習をすることで股関節も鍛えられる」
支配下選手登録への壁は高い
振り返れば、現在一軍の正捕手会沢も高卒1年目は34試合、59打席と出場数はそれほど多くなかった。
育成選手から支配下選手登録されるためには、一軍の戦力と目されるレベルに達しなければいけない。捕手争いの激しさが増せば増すほど、支配下選手登録への壁も高くなる。広島では兼任捕手が主流となっているように、二俣もまた外野や三塁の練習を始めるという。
「どこでも守れる、西武の外崎(修汰)さんのようなユーティリティープレーヤーを目指して、少しでも出られる機会をつかみたい」
捕手以外のポジションに適性を見いだせれば、出場機会はより増えるだけに、本人も意欲的だ。
若手捕手の台頭が目立つ広島に、また新たな個性が加わった。野球界のエリートが集まるプロの世界で、粗削りながらも大きな可能性を秘めた育成選手にはロマンがある。