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「彼が岩瀬のようになってくれたら」戦線離脱が続く巨人で原監督が期待する中川皓太の“試合の流れを作る力”とは
posted2021/04/09 13:30
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Sankei Shimbun
苦しい戦いは続いている。
巨人は4月3日に行った一軍選手、監督、コーチ、スタッフ101人のPCR検査で中島宏之内野手、丸佳浩外野手の陽性が判明。翌4日には再度のPCR検査の結果、前日の検査で再検査となった若林晃弘内野手の陽性が確定し、この日のヤクルト戦開始直前にはゼラス・ウィーラー内野手が陽性と判明して急遽、先発メンバーから除かれるドタバタ劇も勃発した。
巨人で起こった“クラスター”。
即座に感染した選手だけではなく、球団独自の判断で濃厚接触の可能性のあった増田大輝内野手、北村拓己内野手と亀井善行外野手の3選手も登録を抹消。4日時点ではスタッフや通訳を合わせると合計10人が隔離対象となった。
打線の得点力不足に拍車がかかる
翌日の5日には増田、北村、亀井の3選手は保健所の判断で濃厚接触者とは認定されずに「感染拡大防止特例2021」が適用されて、甲子園遠征には参加したが、それでもクリーンアップを打つ丸に、絶好調だったウィーラーと若林、ベテランの中島を欠いた打線にはポッカリと大きな穴が空いた状態であることは間違いない。
このコロナ禍の結果、ただでさえ開幕から続く打線の得点力不足には拍車がかかっている。
4月8日時点でチーム打率は中日と並んでリーグ最下位の2割1分6厘で38得点は同5位。開幕のDeNA戦こそ3試合で19点を奪ったが、その後の中日、ヤクルト、阪神との9試合で3得点したのが4試合。特に“クラスター”が発覚した4日のヤクルト戦から阪神戦までの4試合は2、2、1、3と平均得点はわずかに2点。重大な得点力不足に喘いでいるのが巨人の現状なのである。