プロ野球亭日乗BACK NUMBER
「彼が岩瀬のようになってくれたら」戦線離脱が続く巨人で原監督が期待する中川皓太の“試合の流れを作る力”とは
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph bySankei Shimbun
posted2021/04/09 13:30
デラロサとともに巨人リリーフ陣の屋台骨となっている中川
先発の高橋優貴投手が7回まで阪神打線を1安打に抑えて2対0で迎えた8回だ。
高橋が先頭の梅野隆太郎捕手に右前安打を許し、続く山本泰寛内野手を歩かせたところで、巨人ベンチは中川にスイッチ。送りバントで1死二、三塁となったが、そこから中川が代打の陽川尚将内野手を一塁ゴロに打ち取り、本塁に突入した三塁走者の梅野をタッチアウト。さらに当たっている糸原健斗内野手もボテボテの二ゴロに打ちとり見事な火消しに成功した。
走者を置いた場面でピンチを切り抜けるには……
そうして9回にマウンドに上がったデラロサが先頭のジェフリー・マルテ内野手に左前安打を許したものの、後続を3者連続三振に切ってとって逃げ切りに成功。原監督の言葉通りに勝てる試合を確実に勝ち切って、同一カード3連敗を免れた。
走者を置いた場面でも打者の左右に関係なくスライダーを武器に安定した投球をできる中川に対して、デラロサはボールの力も変化球のキレも一級品だが、制球面でやや不安を残す。できれば回の頭から起用したいのがデラロサで、この阪神戦のように走者を置いた場面でピンチを切り抜けるには中川が適役という判断だった。
試合の流れを作れる投手
「絶体絶命の場面で1点は覚悟というところではあったけどもね。中川らしく0点でバトンを渡したというところに(直後の9回の)重信(慎之介外野手)のホームランも出たかな、と。どういった形でもいい流れというのはあるね。守りからも攻撃からもね」
この日の試合を振り返った原監督のコメントである。
試合の流れを作れる投手。