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【日韓戦・超ナナメ視点プレビュー】韓国のポルトガル人監督が“日本の未来像”になりうる理由って? 

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吉崎エイジーニョ

吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki

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posted2021/03/25 06:00

【日韓戦・超ナナメ視点プレビュー】韓国のポルトガル人監督が“日本の未来像”になりうる理由って?<Number Web> photograph by Getty Images

森保一監督とパウロ・ベント監督。日韓両監督の見識を比較しても面白い

日本と韓国の監督人事、似て非なる部分とは

 これを韓国と比較しながら考えてみる。両国で似て非なる部分がある。

 自国開催だった02年W杯以降、両国の本大会ベスト16入りはすべて国内監督によるものだ。

■日本
2010年南ア大会 岡田武史
2018年ロシア大会 西野朗

■韓国
2010年南ア大会 ホ・ジョンム

 ちなみに韓国では、2018年ロシア大会はグループリーグ最終戦のドイツ戦勝利により、かなり「成功寄り」に見られている。これも自国のシン・テヨン監督の下での結果だった。

外国人監督との意思疎通に懲りてしまった韓国

 両国ともに結果を出している国内監督を重用しているという話だ。韓国の場合は、「外国人監督とのコミュニケーションに懲りてしまった」という面もある。02年のヒディンクでの成功後、03年2月から07年7月までの約4年半でじつに4人の外国人監督を"消費"した。“敗北は死”と叩き込まれる男性の軍隊文化の影響もあり、親善試合の勝敗にも厳しい目が向けられる傾向がある。メディアも新聞中心で、試合結果を端的に伝えるものが多い。日本のように雑誌が発達し、勝敗にかかわらずじっくり試合内容を反芻する文化ではないのだ。世論・メディアからの突き上げを食らうと、外国人監督は疲弊してしまう。返す言葉も通訳を通じてのものだからますます溝が深まる。この繰り返しだった。

 いっぽう、2002年以降の日本では、森保が初めて「はっきりとした意思で任命された国内監督」だ。岡田も西野も"スクランブル登板"の色が濃かったからだ。JFA(日本サッカー協会)の田嶋幸三会長本人はなかなか認めないだろうが、2018年4月に解任となったハリルホジッチで「外国人監督とのコミュニケーションでの消耗」にちょっと懲りたという面はあるだろう。なにせ、ピンチで後釜に収まった西野朗監督の効果はてきめんだったのだから。

韓国の方が監督人事で“早いサイクル”に

 ただし、「韓国のほうが外国人→自国人→外国人のサイクルが早い」という点は大いに重要だ。韓国は南アW杯で結果を残したホ・ジョンムが就任した07年12月からパウロ・ベントを迎える18年8月までの間、10年9ヶ月のうち、じつに75%に当たる8年1カ月を自国人指揮官に託した。まあその間、5人もクビがすげ替わるというお家事情はあったのだが……その期間を経て、「次のチャレンジ」として外国人監督を迎えている。いっぽうの日本は2021年のいま、「外国人→日本人」という段階にある。

【次ページ】 「欧州復帰への野心を持つ監督」は日本にとっても……

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