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史上最も過酷なプレミアで首位独走… 最強シティを支える不屈のメンタリティとは
posted2021/03/23 17:00
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph by
Getty Images
2020-21シーズンのプレミアリーグも残すところあと2カ月となった。
開幕から続いた過密日程による選手の怪我や、無観客試合によるホームアドバンテージの激減などもあり、一時は予想不可能とも言われたコロナ禍でのタイトルレースも、マンチェスター・シティの優勝で決着した感がある。
今季のタイトルレースはすでに決着?
開幕前に優勝候補筆頭格と目されていたリバプールのほか、マンチェスター・ユナイテッド、チェルシー、トッテナム、そしてレスターにも優勝争い参戦の可能性が指摘されたのは、昨年12月のこと。
しかし、3月13日にフルアムを3-0で退けたシティは、リーグ戦30試合を消化して2位ユナイテッドに14ポイント差をつけている。残る8試合で14ポイントを奪えば、ユナイテッドが残る9試合に全勝しても追いつかれることはない。
過去8試合で21ポイントを獲得しているシティとしては、プレミア王座奪回へのホームストレッチを余裕で走り抜けられる状態だ。
「クレイジー」な公式戦21連勝
フルアム戦の前週、ホームで行われたダービーマッチで連勝記録が途絶えた直後には、「一時的な躓き」を超えて「危機」まで指摘された。
それでも、そのユナイテッド戦(0-2)で今季3敗目を喫するまで、国内カップ戦とCLを含む21試合に勝ち続けたチームの芯は揺るがなかった。
シティは、就任5年目のジョゼップ・グアルディオラ監督が、以前から「地獄」と呼ぶイングランドの冬に、同指揮官が曰く「選手の怪我やウイルス感染の問題がある中で3日に1試合のペース」で勝利を重ねた。その安定した強さの根底にある精神力を「驚異的だ」と自賛する監督に、異論を唱える者はいないだろう。
英語の「メンタル」には「クレイジー」と同様の意味も含まれるが、例年以上に過酷な状況下において28試合連続でポイントを重ねた強さは、それこそ「異常」と言える。
昨季プレミア王者を率いるユルゲン・クロップの自軍評を拝借すれば、今季のシティは昨季のリバプールに勝るとも劣らぬ「メンタリティ・モンスター」だ。