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【日韓戦・超ナナメ視点プレビュー】韓国のポルトガル人監督が“日本の未来像”になりうる理由って?
text by
吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki
photograph byGetty Images
posted2021/03/25 06:00
森保一監督とパウロ・ベント監督。日韓両監督の見識を比較しても面白い
「すべての社会の構成員は、自身の所属する分野において自分の仕事でそれぞれが繋がっているものだ。やれる範囲内で我々はそれぞれの仕事をしなければならない。もちろん感染対策こそが常に一番優先しなければならないものであり、感染対策よりも重要なものはない。ただしそのなかで自身の仕事を遂行することを止めてはならない。(中略)現状では韓日戦をしっかり準備することが最善の方法だと考える」
周囲が何と言おうと、自分は自分の持ち場から、特性を以て社会に貢献するんだよと。韓国代表監督在職中になんとしてでも結果を残すという意志の現れだ。
ちょっと渋いが、この人物こそが今回の日韓戦での韓国側の注目人物でもある。テレビ中継でチラッとでも彼の姿が映し出されたのなら、あれこれと考えてみてほしいのだ。
欧州メインストリーム復帰の野心を持つ若手監督
ではこのパウロ・ベントの何が重要なのか。彼が韓国代表監督としてそこに存在する理由が重要なのだ。
「欧州のメインストリームに戻る野心を持つ、欧州出身の若手監督」
2010年から14年までポルトガル代表監督を務めたが、その後ブラジル、ギリシャ、中国のクラブチームで結果を出せず。キャリア崖っぷちのなか、韓国で指揮を執る。
この存在が日本代表の現在地や未来像の考察に繋がる。森保一監督についてあれこれと考えることについても。
森保の周囲には、2019年11月のベネズエラ戦(吹田)の1-4の大敗あたりから批判の声が渦巻いている。2020年11月のサッカーファンからの支持率は12%台(Yahoo!調べ)という状況。これが何なのかを紐解いていけるのだ。
なぜ、森保一が監督として日本代表のベンチにいるのか。この理由のうち、いくつかはここにある。
「自国出身監督でも外国出身でも、結果に大きな影響はない点に気づいた」
「望むクラスの外国人監督が来てくれない」