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南野拓実は日韓戦で輝くはず リバプール時代に潜めていた“タキらしさ”+進化の過程とは【英国でも高評価】
posted2021/03/25 06:02
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph by
Getty Images
日本代表FW南野拓実が、サウサンプトンに今季終了までの期限付き移籍を果たして2カ月が経とうとしている。
昨季のリーグ覇者であるリバプールではベンチを温める試合が多かったが、サウサンプトンでは主力として稼働している。ここまでのところ、今回のレンタル移籍は順調だと言えよう。
元豪州代表GKシュウォーツァーも「良いビジネス」と
実際、現役時代にミドルズブラやフルアムでプレーした元オーストラリア代表GKのマーク・シュウォーツァーは、今回のレンタル移籍を「サウサンプトンと南野、リバプールにとって良いビジネスだった」と評価する。
南野としては実戦経験を継続的に積むことができ、怪我人の多いサウサンプトンにとっても貴重な即戦力が加わった。そして、リバプールとしても、南野が試合を重ねることでプレミアリーグへの適応が進む──。つまり、3者にとってプラスに作用したというわけだ。シュウォーツァーは次のように言葉をつないだ。
「南野は、サウサンプトンで非常に良いプレーを見せている。ザルツブルク時代のように効果的なプレーだ。実際、チェルシー戦(2月20日)で素晴らしいゴールを決めた。ネイサン・レドモンドのラストパスも良かったが、それ以上に南野が見せたゴール前での落ち着きは特筆に値する。キックフェイントでGKを欺く、素晴らしいゴールだった。
リバプールでは出番が少なく、重要な役割を果たせなかった。サウサンプトンでの活躍を見ると、このレンタル移籍は成功だと言える。チェルシー戦後、ラルフ・ハーゼンヒュットル監督も攻撃面での貢献を高く評価していた」
リバプールで勝負の2年目だったが
リバプール在籍2季目となる今シーズンは、南野にとって勝負の年だった。20年1月に世界王者のリバプールに加わり、昨シーズンの後半戦は「適応期間」として試合経験を積むことに重きが置かれた。ところが、夏の移籍期間でポルトガル代表FWディオゴ・ジョタが加入。プレシーズンマッチで好調だった南野の序列は低下し、試合勘の欠如からパフォーマンスが振るわない試合もあった。