甲子園の風BACK NUMBER
センバツ史上初“ブラバン録音応援”ウラ話 高野連が「暴れん坊将軍」「紅」などを“20曲リスト”に選んだワケ
text by
梅津有希子Yukiko Umetsu
photograph byYukiko Umetsu
posted2021/03/19 11:02
市立尼崎高校は2019年の夏の甲子園で沖縄尚学を応援。友情応援の経験が豊富な彼らの演奏が今年も甲子園に響く
「どのように使用するのかは本番のお楽しみ」
今回、スケジュールの都合などで音源の録音が出来なかった学校は以下の11校。
市立尼崎の録音音源を使用するか、音源なしで手拍子などでの「音なし応援」が選べるが、「11校すべてが市立尼崎さんの音源を使うことになった」(古谷氏)という。
北海(北海道)、八戸西(青森)、柴田(宮城)、敦賀気比(福井)、京都国際(京都)、広島新庄(広島)、下関国際(山口)、明徳義塾(高知)、福岡大大濠(福岡)、宮崎商(宮崎)、具志川商(沖縄)
市立尼崎吹奏楽部顧問の岩山悦志氏も、「本校なりに精一杯録音に取り組みました。生徒たちもいつも甲子園で演奏するのを楽しみにしているので、このような形でお役に立てることを喜んでおり、楽しそうに演奏していたのが印象深いですね。学校ごとに応援方法が異なるので、どのように使用するのかは本番のお楽しみかなぁ……と思っています」と笑顔で話す。
学校ごとのリクエストに、できるかぎり応えたい
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試合中、音源CDをかけるオペレーションは球場のスタッフが担当する。今回は、打順ごとまたはイニングごとに曲を切り替えるが、学校によっては「ランナーが二塁に進んだらチャンステーマをかける」「ヒットが出たらファンファーレをかける」など、さまざまなルールを設けているところも多い。日本高野連は、事前に各校からアンケートで希望を聞いており、古谷氏も「難しい部分もあるかとは思いますが、可能な限り、できるだけリクエストに応えたい」と話す。
イニングごとに音源を流す智辯学園(奈良)は、毎回甲子園で演奏している通りに順番を指定した。
「1回はいつも通り、『アフリカン・シンフォニー』を通しでかけます」と吹奏楽部顧問の青山浩氏。当日は、大太鼓1台を応援で使うことが許されているので、「録音音源に合わせて太鼓をたたくことになると思います」(青山氏)
兄弟校の智辯和歌山(和歌山)と共通で使用し、熱狂的なファンの多いチャンステーマ『ジョック・ロック』ももちろん用意。どのようなシチュエーションで流れるかは、当日のお楽しみだ。
初めて尽くしのブラバン録音音源応援。スムーズにいくかどきどきしながら、楽しみに見守りたいと思う。