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名将はなぜ「一度クビになった」のか、“普通の公立校”が大阪桐蔭に勝てたワケ…センバツ甲子園の悲喜こもごも

posted2021/03/19 06:00

 
名将はなぜ「一度クビになった」のか、“普通の公立校”が大阪桐蔭に勝てたワケ…センバツ甲子園の悲喜こもごも<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

センバツ甲子園に高校球児たちの声と球音が戻ってくる

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NumberWeb編集部

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Hideki Sugiyama

雑誌「Sports Graphic Number」と「NumberWeb」に掲載された記事のなかから、トップアスリートや指導者たちの「名言」を紹介します。今回はセンバツ高校野球にまつわる4つの言葉です。

<名言1>
リスクは確かにありますけど、そこを恐れてしまったら、自分たちの野球はできない。
(福村順一/NumberWeb 2011年3月30日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/106344

◇解説◇
 センバツ高校野球には「21世紀枠」が設けられているなど、いわゆる強豪私学だけでなく“普通の公立校”が出場するケースが多い。

 ここ10年の中で最も驚くべき躍進を見せたのは、2011年・第83回の加古川北だった。それもその前年の兵庫県大会では報徳学園、続けて行われた近畿大会では大阪桐蔭に勝利するなど、強豪校を次々と撃破し、近畿枠としてセンバツ初出場を手に入れた。

 甲子園の大舞台でも、充実した戦いを見せた。初戦の相手は優勝候補と目された金沢で、主戦投手は現在楽天に所属する釜田佳直。その時点で臆してもおかしくないはずだが、組み合わせ抽選会で福村監督は笑みを浮かべたという。

「引き当てたな」

 同じく、選手たちも自信を漂わせていた。くじを引いた都倉健司主将も「近畿大会で大阪桐蔭との対戦が決まった時は、世間をあっと驚かせようっていっていた。今度は全国を驚かせたい」と意気込みを語っていたほどだ。

 そして迎えた1回戦、加古川北らしい試合運びを見せる。積極的な走塁で得点を積み重ねると、守ってはエースの井上真伊人が持ち球のスローカーブを「あえて少なめ」にする投球術で、2安打に抑える完璧なピッチング。4-0と完勝を飾ったのだ。

「選手たちがやれることを精一杯、やってくれた」

 福村監督はこのように教え子を称えた。その後2回戦では波佐見との公立校対決を制し、センバツ初出場ながらベスト8進出という快挙を成し遂げた。

【次ページ】 藤浪&大阪桐蔭の春夏連覇の裏で、準優勝校は……

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