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J1開幕スタメン、昨季最終節と比べてみました 11人中7人も変えた“超”大胆クラブは…【全20クラブ布陣図つき】
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byGetty Images/Satoshi Shigeno
posted2021/03/06 06:02
開幕戦と昨季最終節を見比べてみると、変化が大きなチームもある
セレッソで息を吹き返した大久保の位置は……
一方で対戦相手となったセレッソで触れるべきはやはり、大久保嘉人だ。点で合わせるヘディングでの決勝ゴールはもちろん、上島を退場に追い込んだ裏抜けも絶妙だったし、中3日の川崎フロンターレ戦での2ゴールもまた鮮烈だった。本人も驚きの開幕スタメンだったようだが、38歳、まだまだ得点嗅覚は衰えず……である。
昨季最終節のセレッソは3バックだったが、レヴィー・クルピ監督が復帰した今季開幕節はベーシックな4-4-2で、その一角に大久保が入っていた。続くフロンターレ戦では大久保が1トップになるなど、柔軟にシステムを変えるのかもしれない。
クルピ監督は「フットボールに年齢は関係ない、というのが信条だから」と過去の記事でも話している通り、選手の力を最大限に引き出すタイプ。古巣復帰で燃える大久保の負けん気を有効活用しているように見えるのが、さすがの手腕である。
浦和は新戦力とともにベテランも健在
(3)新監督招聘or大型補強も、昨季在籍組が健在/代表例:浦和・名古屋
改革を掲げる浦和はリーグ、ルヴァン杯開幕戦ともにドロー。それでも「今年のレッズは手ごわいんじゃないか」という雰囲気がある。それは間違いなくリカルド・ロドリゲス監督が率いているからこそだろう。
FC東京戦が地上波放送されたこともあり、浦和の“生まれ変わった感”は鮮烈だった。特に新加入組の伊藤敦樹、小泉佳穂、明本考浩の3人がピッチをかき回す様子は、浦和サポーターでなくとも小気味よさを覚えただろう。
ただその一方でスタメンを見直してみると……西川周作、宇賀神友弥、槙野智章、阿部勇樹と30代の選手がレギュラーで起用されている。昨季最終節、西川以外の3人はスタメンではなかっただけに、チーム一新の中で再び存在感を発揮している。
ちなみに2日のルヴァン杯湘南ベルマーレ戦では、FC東京戦からスタメンを10人変更し、その平均年齢が23.45歳と非常に若かったが、唯一2戦連続でスタメン起用されたのは槙野というのも興味深いところだ。