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「この2点目こそ我々が見たかったミナミノ」…レジェンドが南野拓実を “キュウリみたい”と大絶賛の理由 

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田嶋コウスケ

田嶋コウスケKosuke Tajima

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posted2021/02/22 11:02

「この2点目こそ我々が見たかったミナミノ」…レジェンドが南野拓実を “キュウリみたい”と大絶賛の理由<Number Web> photograph by Getty Images

チェルシー相手のゴールに歓喜する南野拓実。リーグで振るわないリバプールのファンから“タキ待望論”が再び高まりそうだ

 アシストしたレドモンドが「チェルシーに新しい監督がやってきて、新しいプレースタイルに取り組んでいる。この1週間、我々はチェルシーのプレー映像をかなり見ていたし、研究も進めていた」と説明した言葉からも、決して偶発的に生まれたゴールではなかったことが分かる。

「キュウリのような落ち着き」ってどういうこと?

 それでも、ペナルティエリア侵入後に見せた南野の落ち着き払ったゴールは、優れた状況判断と個人技、正確なフィニッシュワークの賜物だった。筆者が最も印象に残ったのは、試合後にMFジェイムズ・ウォード・プラウズに質問したインタビュアーによる「タクミのゴールはキュウリのように落ち着いていましたね(It was cool as a cucumber)」との言葉だ。

「キュウリのように」とは奇妙に聞こえるが、温度計が発明された際に外気温よりもキュウリ内の温度の方が低かったことから使われるようになった英語表現で、非常に冷静沈着な人をキュウリに例えることがある。

「キックフェイントにタクミの真価が」

 ウォード・プラウズは「タクミのフィニッシュは素晴らしかった。僕は彼の後ろにいたから、“決めろ”と大声で急かした。キックフェイントのボールタッチに、タクミのクオリティと真価が表れていたと思う。うまくゴールを決めてくれた」と答え、チームを束ねる主将として、日本代表アタッカーの冷静なフィニッシュを褒めていた。

「用意周到に進めたチーム戦略」と「南野の特性」──。サウサンプトンでの2点目は、2つの要因がうまく組み合わさったことで生まれたと言えよう。

 ただし、今後の課題も明確になった。

【次ページ】 劣勢にまわった中での南野の課題とは?

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