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「この2点目こそ我々が見たかったミナミノ」…レジェンドが南野拓実を “キュウリみたい”と大絶賛の理由 

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田嶋コウスケ

田嶋コウスケKosuke Tajima

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posted2021/02/22 11:02

「この2点目こそ我々が見たかったミナミノ」…レジェンドが南野拓実を “キュウリみたい”と大絶賛の理由<Number Web> photograph by Getty Images

チェルシー相手のゴールに歓喜する南野拓実。リーグで振るわないリバプールのファンから“タキ待望論”が再び高まりそうだ

「この動きこそ、我々が見たかったミナミノ」

 現役時代はトッテナム、チェルシーなどで活躍した解説者のグレン・ホドルが「追走してきたアスピリクエタはシュートを読んでいたが、ミナミノは非常に落ち着いていた。この冷静さが実に素晴らしい。本当にクールで、美しいフィニッシュ」と称賛すれば、元イングランド代表MFのジョー・コールも「この動きこそ、我々が見たかったミナミノのプレー。躍動していたオーストリア時代のゴールそのものだ」と褒めちぎった。

 この得点で1-1のドローに持ち込んだサウサンプトンは連敗を6でストップ。南野個人としても、サウサンプトン移籍後の3試合で2点目をマークした。出場機会に恵まれず辛酸をなめたリバプール時代を思えば、レンタル先のサウサンプトンで幸先の良いスタートを切ったと言える。

南野の巧さとともにチームの狙いでもあった

 得点場面では南野の巧さが光ったが、このゴールはチームの狙いでもあった。試合後、南野の得点シーンについて問われたラルフ・ハーゼンヒュットル監督は、次のように明かしている。

「正直に明かせば、得点時のようなアタックをもっと増やしたかった。この1週間を使い、得点のようなプレーの練習を繰り返してきた。中盤を使いながら相手のCBを動かし、DFライン裏のスペースを利用する状況は、まさに想定していた通り。完璧に準備ができていたし、本当にいいゴールだった。だが、チーム全体でチャンスメークが十分にできていなかったし、実行する勇敢さも足りなかった。それでも、タクミのゴールは、ボールを保持している時のプレーではベストだった」

 相手DF間にできる隙間から背後に飛び出し、スルーパスを受けて得点チャンスを生み出す──。サウサンプトンの狙いは、トーマス・トゥヘル新体制に変わり、高い位置にラインを敷くようになったチェルシー最終ラインの「隙間」と「裏」にあった。ゴールを呼び込んだ南野のフリーランは、まさにオーストリア人指揮官の狙い通りだったわけだ。

【次ページ】 「キュウリのような落ち着き」ってどういうこと?

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