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ロッテ前身球団の“消えた野球場”…南千住にあった「東京スタジアム(味スタじゃない方)」今は何がある?
text by
鼠入昌史Masashi Soiri
photograph bySankei Shimbun
posted2021/01/23 17:04
1962年5月に開場した幻の東京スタジアム。カクテル光線も眩しく「光の球場」と呼ばれた
いざ“消えた野球場”東京スタジアムへ
南千住駅はJRならば常磐線、地下鉄ならば日比谷線、その他にはつくばエクスプレスも乗り入れるちょっとしたターミナルである。ただ、この3路線すべてがそのまま並んで北千住駅にも乗り入れているので、乗り換えターミナルとしては北千住のほうが優勢だ。むしろ南千住というと、近年駅の周辺の開発が急速に進んでタワーマンションが林立している街、といった印象を持っている人のほうが多いのではないだろうか。はたまた、南千住駅から南に歩いて泪橋、さらに南に行けば吉原大門というディープな世界への入り口としてのイメージも根強い。筆者は鉄道寄りの人間なので、隅田川貨物駅という貨物列車専用の駅に隣接、さらには東京メトロ日比谷線の車両基地もある場所としても認識している。
このように、なんとなくいろんなものを詰め込んだような、ひとことでは表しにくいのが南千住駅の個性といえる。そんな南千住のどこに光の球場はあったのか。さすがに南千住駅に着いてから調べていたのではどうしようもないので事前に確認しておいた。駅から西に進んで日光街道(国道4号)を渡った少し先だ。
東京スタジアム跡地にあった“ナゾの像”の正体は?
駅から歩いて約15分。冬の日差しの中、大通りとその隙間にひしめく昭和の薫り漂う下町の路地を縫うように進み、目的の場所にたどり着いた。まず見えてくるのは南千住警察署。そしてその横に何やら立派な建物がある。荒川総合スポーツセンターというらしい。このあたりに、間違いなくかつて東京スタジアムがあったのだ。