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最近はサブでも違和感なし…ポグバ抜きマンUの“ベスト布陣”を考えてみた
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph byGetty Images
posted2021/01/04 11:02
ポグバはもうユナイテッドの不動の存在ではなくなったのか
また、ビルドアップの質を上げるためにもポグバの右インサイドハーフは悪くないプランだ。なぜならユナイテッドの攻撃は左サイドに偏っている。B・フェルナンデスとマーカス・ラッシュフォードが左サイドでのプレーを好み、左SBのルーク・ショー、アレックス・テレスも攻撃参加を繰り返すからだ。
右サイドの仕切りを任せてみる?
一方、右サイドは静かに時が過ぎていく。フアン・マタが2列目の右に起用されても、ボールがよく動く左サイドまで寄ってくる。アーロン・ワン・ビサカはショーやテレスほどビルドアップに貢献できない……どころか、低質なクロスやパスでせっかくのチャンスをフイにするケースも少なくない。
ならばポグバに右サイドの仕切りを任せてもいいだろう。ユナイテッドがボールを保持している際、右サイドにはスペースがある。彼のポテンシャルを活かす唯一の領域かもしれない。しかし……。
いま、ユナイテッドの中盤における序列はB・フェルナンデスがアンタッチャブルで、豊富な運動量と守備面の貢献が光るフレッジ、リーズ戦で2ゴールをあげ、大半のメディアがマン・オブ・ザ・マッチに挙げたマクトミネイが、スールシャール監督の信頼を得ている。
そのリーズ戦ではチーム全体のスプリント回数が205回に達し、それまでの平均回数を65回も上回った。110.2kmを計測した走行距離も、107・15kmだった平均値を越えてきた。したがって、この一戦が指針となり、スールシャール監督がようやくカウンター主体に舵を切るものと推察できる。
ポグバ抜きの4-2-3-1
こうして、ポグバの居場所が狭くなってきた。ユナイテッド移籍後はコンディショニングに苦しみ、走行距離やスプリントの回数で評価されたケースは一度もない。前線に飛び出した後、B・フェルナンデスのように全速力で戻りもしない。
当然、ポグバの序列は上がらず、リーズ戦の4-2-3-1(図参照)が今後の基軸となる公算が大きくなりつつあるいま、ポグバが先発に起用される確率は低い。とはいえスーパーサブという位置づけでは、彼のプライドに傷がつく。