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【有馬記念】「中山競馬場ってドコにある?」 JR武蔵野線の“ナゾの競馬駅”「船橋法典駅」に行ってみた
posted2020/12/27 06:03
text by
鼠入昌史Masashi Soiri
photograph by
Masashi Soiri
いよいよ今年最後の大一番、有馬記念である。中央競馬の総決算、最強馬たちが一堂に会するグランプリ、世界で一番馬券が売れる大レース……とにもかくにも競馬ファンのみならず注目を集める一戦が、12月27日に中山競馬場で行われるのである。
レースがいったいどうなるかという展望は筆者の本分ではないので横においておく。問題は中山競馬場がどこにあるか、ということである。競馬ファンには改めて聞くまでもないだろう。中山競馬場の最寄り駅はいくつかあるが、いちばんはJR武蔵野線の船橋法典駅だろう。
なぜ「船橋」なのに「中山」競馬場なのか?
船橋法典駅のホームの端っこ、西船橋寄りにある臨時出入り口からまさしく中山競馬場直結の改札口を抜けて、ナッキーモールと呼ばれる(ツッコミどころのありそうな)地下通路を通って競馬場に向かう。ゴール前のスタンドまでは、だいたい15分くらいだろうか。そしてレースが終わったら、(たいていは)肩を落として再びナッキーモールを歩く。今年は新型コロナのせいでお客の数は制限されているが、いつもの有馬記念だったらターフビジョンに「船橋法典駅まで約90分」「地下通路は退場規制を行っております」などというメッセージが表示され、ただでさえ絶望している競馬ファンをどん底に突き落としてくれるものだ。
そんな中山競馬場の日常が当たり前になっているから、あまり意識することはないかもしれない。だが、そもそもよく考えてみてほしい。なんとなく、“中山競馬場は西船橋のあたりにある”ということは知っている人が多い。ところが、競馬場名には船橋ではなく“中山”とあり、最寄り駅は船橋法典というちょっと読み方もわかりにくいような珍名である。すなわち、船橋にある中山競馬場の最寄り駅は船橋法典、という街歩き好きにとってもナゾだらけの場所なのだ(船橋競馬場もあるけどそれは別のお話)。ならば、競馬開催日ではない普段の船橋法典駅に行かねばならぬ。そんなわけで、有馬記念を数日後に控えた師走の平日、船橋法典駅にやってきた。