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不満があればサインは… 巨人菅野智之(31)らポスティング組が「参考にすべき」2人の先輩とは 

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ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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posted2020/12/26 17:05

不満があればサインは… 巨人菅野智之(31)らポスティング組が「参考にすべき」2人の先輩とは<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

ポスティングによるメジャー移籍を目指す巨人・菅野智之投手

 いくつかの報道によると、同氏は同年オフに4年12億円(出来高含まず)で国内FA権を行使せずに広島に残留することを表明したものの、契約期間内でメジャーに挑戦できるようになっていたそうで、結局は海外FA権取得となる2007年のオフに3年総額3530万ドルでドジャースに移籍した。

 黒田氏はメジャー球団が2014年オフに提示したという高額契約を蹴って、「日本に戻るなら広島以外は考えられない」というかねてからの公約通り、古巣広島に復帰し、育ててもらった球団への恩義を示した。

 ちなみにメジャー移籍当時の黒田氏は、数カ月後に33歳になっており、年齢的にはメジャー移籍の適齢期を越えていた。大事なのはやはり、「移籍してから」なのだ。

 黒田氏はドジャースでの4年間で着実に結果を残し、契約最終年となった2010年のオフに単年1200万ドルでドジャースと契約延長。2012年はヤンキースと単年1100万ドル、2013年は1500万ドル、2014年は年俸1600万ドル+出来高と安定した“良い契約”を勝ち取った。それは2013年までに4年連続二桁勝利や3年連続200投球回達成という確かな実績を積み上げてきたからこその正当な評価だった。

ポスティング長期契約の「落とし穴」

 プロ野球はビジネスであり、結果を残した選手には正当な評価がなされ、その労働に準じた対価が支払われるべきである。ポスティングで長期契約をすればある程度の「安定」は手に入れることはできても、岩隈氏や黒田氏のように、MLBに移籍してからの活躍でポスティングでの移籍を超えるような契約は手にできない。

 だから今オフ、ポスティング申請中の選手たちも、「今年、移籍しなければ」というような切羽詰まった考えは持つ必要はない。今年がダメなら来年があるし、来年がダメなら再来年がある。怪我せず健康な状態でプレーし続けることさえできれば、チャンスはまた巡ってくるはずだ。

 過去にあったポスティング制度を利用してのメジャー移籍は、すべてがハッピーな形でエンディングを迎えたわけではない。複数球団が交渉できるようになったお陰で昔よりは改良されたとはいえ、契約内容に不満があるなら、サインする必要はない。

「メジャー移籍が実現するなら、何でもいい」ではなく、FAになった時の未来もしっかり考えて、単に決断するだけではなく、最高の決断をして欲しいと思う。

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