フランス・フットボール通信BACK NUMBER
スイス出身のドルトムント監督に「ブンデスリーガは世界最高だと言えますか?」とぶつけてみたら……
text by
アレクシス・メヌーゲAlexis Menuge
photograph byAlexandre Simoes/BVB
posted2020/12/12 06:01
セルベッテ・ジュネーブとFCチューリッヒで実績をあげ、ドイツ(ヘルタ・ベルリン、ボルシア・メンヒェングラートバッハ)とフランス(ニース)で評価を確立したファブレ
ファブレ 最も重要なのは規則を遵守することであり、規律を守りながら距離を維持し続けることだ。ただ、経済的な理由から、スポーツもできる限り継続していくのが望ましい。ワクチンの開発を待ちながら。
「リーグアンのレベルは2年前とあまり変わっていない」
――昨季のCLではフランスのクラブも2つベスト4に残りました。驚きではありませんでしたか?
ファブレ PSGのパフォーマンスと結果については、クラブの力を考えれば何の驚きもない。だがリヨンは、準々決勝のマンチェスター・シティ戦はルディ・ガルシア監督がシステムを3-5-2に変更した大胆な戦術で素晴らしい番狂わせを演じた。相手に攻撃のスペースをほとんど与えず、守備は本当に強固だった。
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――ならばリーグアンは、ヨーロッパの他のメジャーリーグと比べどのあたりに位置すると思いますか?
ファブレ 比較は難しい。私はニースの監督として2年を過ごしたが簡単ではなかった。リーグにはフィジカルとコンパクトな強さがあり、才能ある若い選手たちで溢れている。人的資源の豊富さは驚くばかりだ。フランスの強さはそこにあると私は思っている。20歳になったばかりの選手が、すでに成熟しているのだから。
――あなたが2018年にニースを離れてから、さらに進化した印象はありますか?
ファブレ PSGは長年にわたりリーグを支配している。面白いのはヨーロッパカップの出場権を賭けてプレーオフがしばしばおこなわれることだ。もちろんブンデスリーガでは、バイエルンが8年連続でリーグチャンピオンを保持しているが、競争は(リーグアンよりも)厳しいしクラブ間の格差も小さい。リーグアンのレベルは2年前とあまり変わっていないように思う。
――ニースでの2年間の経験はあなたになにをもたらしましたか?
ファブレ 素晴らしい思い出だ。クラブの成長過程――新たな練習場の完成やELでの素晴らしい夜を目の当たりにした。素晴らしい経験で人間的にも豊かになった。選手たちも真剣に毎日の練習に取り組んでいた。
厳しいスケジュールをどう乗り越える?
――では今季は、特異なうえにスケジュールも厳しいシーズンにどう取り組んでいますか?
ファブレ 10月半ばからクリスマスまで、11月の国際マッチデーの中断を挟んで3日置きに試合が続く。ブンデスリーガは1月2日に再開するから年末に休めるのは4日だけだ。この日程をいかにうまくこなしていくか。ヨーロッパはどこも状況は同じだが、やっかいな日程であるのは間違いない。
――冬の中断期間がなくなるのはドイツでは初めてのことです。
ファブレ そうせざるを得ないからだ。だがそれは例外だ。ドイツ人はサッカーに熱狂する。一緒にスタジアムに行きお祭り騒ぎをするのは社会的なイベントだ。冬の中断は伝統的なもので、彼らはずっと守って来たが、今年は春にサッカーを奪われたから、逆に中断がないことを喜んでいる。