フランス・フットボール通信BACK NUMBER
スイス出身のドルトムント監督に「ブンデスリーガは世界最高だと言えますか?」とぶつけてみたら……
text by
アレクシス・メヌーゲAlexis Menuge
photograph byAlexandre Simoes/BVB
posted2020/12/12 06:01
セルベッテ・ジュネーブとFCチューリッヒで実績をあげ、ドイツ(ヘルタ・ベルリン、ボルシア・メンヒェングラートバッハ)とフランス(ニース)で評価を確立したファブレ
ファブレ それはない。思ったのは私たちを破ったチームはファイナリストであり、決勝でバイエルン・ミュンヘンに僅差(0対1)で敗れたチームだということだけだった。その前のシーズンも、同じラウンドで私たちは決勝進出を果たしたスパーズに敗れた。
――PSGを破ってベスト8に進むチャンスはなかったでしょうか?
ファブレ 負けたのはパリよりもわれわれの側の問題だった。パルクデプランスでは、ドルトムントでの第1戦のようなパフォーマンスを発揮できなかった。ただ、PSGは直前のストラスブール戦が延期になったのに対し、私たちは4日前にブンデスリーガのボルシアMG戦(2対1で勝利)を戦った。
だが言い訳はしたくない。パリで私たちは多くを欠いていた。ホームでの初戦(2対1でBVBの勝利)も、誰もが素晴らしい試合だったと評価したが、PSGは2度にわたり先制点の決定的なチャンスを作り出した。どちらかが決まっていれば試合の流れもまったく異なったものになっていた。唯一残念に思うのは、3点目を決める機会を試合終了直前に得ながら逃してしまったことだ。
――とはいえドイツのチームが2つ準決勝に残りました。ブンデスリーガはいい状態にあると言えませんか?
ファブレ 競争力はとても高い。バイエルン・ミュンヘンはリスボンで最高の輝きを見せたし、ライプチヒもベスト4に値するパフォーマンスを発揮した。
ただ、時代には流れがある。長きにわたりレアル・マドリーやバルセロナ、アトレチコ・マドリーらのスペイン勢がヨーロッパを支配した。その後、イングランド勢が盛り返し、昨季はドイツのクラブが支配的な役割を果たした。
――ならば2020年のブンデスリーガは世界最高のリーグと言えますか?
ファブレ 現状での競争力と魅力という点では、ブンデスリーガはプレミアリーグやリーガエスパニョーラと同等のレベルにあるといえる。たしかに経済力では、両者に水を開けられてはいるが。
コロナ禍でも「スポーツ」は通常通り続けるべきか
――ブンデスリーガはヨーロッパで最も早くリーグを再開しました。それはドイツリーグ連盟がコロナ禍に適切に対応したからですが、ドイツで働く機会を得て幸運だったと思っていますか?
ファブレ 未来を予期しながら完璧な組織を構築することで、ブンデスリーガはヨーロッパの他国リーグよりも進んでいることを証明した。延期された試合はひとつもない。他の国ではそんなことはあり得なかった。ドイツは他の国々に対して素晴らしい模範となった。
――あなたから見ても、最もいい時期に再開したのでしょうか?
ファブレ 当初は4月末や5月初頭の再開が議論された。だが、クラブがまだ完璧な体制が整っていなかった。結果的に5月16日の再開は理想的な日程となった。すべてが滞りなく進行し、6月30日までに終えることができたのだから。
――このような特殊な状況でも、スポーツは通常通り続けるべきだと思いますか?