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「石川祐希のような選手と一緒にできて幸運だなと」盟友・柳田将洋の記憶に残る“5年前のミーティング”と“小さな差”「石川こそ努力の人」
posted2024/07/27 06:02
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
YUTAKA/AFLO SPORT
今の日本代表の強さは、タイムアウト中の光景からも見て取れると柳田将洋は言う。
「石川(祐希・ペルージャ)選手が話したり、選手同士で会話をしていて、それを(フィリップ・)ブラン監督が静観しているという場面も多い。それは僕らの世界では結構珍しいんですよね。監督がまず口を開いて一回オーガナイズして、そのあとに選手が話すことが多いんですけど、日本代表は選手が結構話すなーと。
そういうところも今、日本が特別な理由の一つだと思っています。言われて動くんじゃなく、常に自分たちで考え、自分たちの判断で動く。選手が主体になって目標を正し直すというのも、そうですよね」
「一番のチャンス」をつかむために
今の日本代表は、チームの目標を石川主将中心に選手ミーティングで話し合って決める。今年5月、パリ五輪の目標を「メダル獲得」に定めたが、その後ネーションズリーグでの銀メダル獲得を経て、ミーティングで目標を「金メダル獲得」に上方修正した。
「選手同士でそこを話せているのも、今日本が強い理由なのかなと客観的には思います。こういう(メダルの)チャンスってなかなかなくて、本当に今一番チャンスだと思うんですけど、それをつかむためには、しっかりと、なあなあにならずに目標を定め直すというのが組織として非常に大事だと思うので。
自分たちの考えを一致させて目標を宣言するというのは、全員が改めてそこに向かってベクトルを正せる機会。ましてやオリンピックなんて、1人でもそこがずれていたらチームとして勝てないと思うので。機を逃さず、選手でしっかりとそういう時間を作るのはさすがだなと思いますね」
もしかするとそのきっかけになったかもしれないシーンが2019年にあった。