熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
久保建英の同世代ロドリゴが“レアルの救世主”に ビニシウスも含めたライバル3人の“力関係”は…
posted2020/12/12 11:03
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
Getty Images/Daisuke Nakashima
窮地に陥っていた白い巨人とそのレジェンドの指揮官を、19歳のブラジル人FWが救った。
UEFAチャンピオンズリーグ(CL)のグループステージ(GS)最終節のボルシアMG(ドイツ)戦のことだ。
前半32分、右サイドでボールを受けたロドリゴが巧みなフェイントでマーカーを幻惑してから右足でライナー性のクロスを入れると、これがゴール前に走り込んだCFカリム・ベンゼマの頭にピタリと合った。レアル・マドリーは決定的な2点目をあげて強敵に快勝し、グループ首位でラウンド16へ勝ち上がった。
ロドリゴは、この値千金のアシスト以外にもドリブル突破、チームメイトとの息の合ったパス交換などから再三チャンスを作り、惜しいシュートも放った。
スペインのスポーツ紙「マルカ」は、ロドリゴについて「エスペタクラール(見事だった)。今後もレギュラーとして起用されるべきだ」と激賞した。
マドリーにとって、今季ここまでで最も重要な試合だった。格下シャフタール(ウクライナ)にホーム、アウェー両方で敗れ、引き分け以下ならグループのもう1つの試合(インテル対シャフタール)がいかなる結果であってもGS敗退という大ピンチ。ラ・リーガでも4位と停滞しており、ジネディーヌ・ジダン監督は退任の瀬戸際に追い込まれていただけに、ロドリゴの評価は大きく上がった格好だ。
アセンシオに次ぐ序列の高さにいる
マドリーの主要フォーメーションは、4-3-3。両ウイングのポジションは、右をスペイン代表マルコ・アセンシオとロドリゴが、左サイドをベルギー代表エデン・アザール、アセンシオ、20歳のブラジル代表ビニシウス・ジュニオールが争う構図となっている。
ただし、アザールは故障による欠場が多く、両サイドを高いレベルでこなせるアセンシオがレギュラー格だ。もう1人は右ならロドリゴ、左ならビニシウスが担うことが多い。
ボルシアMG戦の先発は、そのロドリゴとビニシウスの組み合わせだった。なおビニシウスも積極的にプレーしたが、ロドリゴほど効果的な働きはできなかった。