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原口元気「正直またかという感じ」 日本代表は“2年前”を乗り越えることができるのか
posted2020/11/25 11:02
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph by
JFA
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、今年の日本代表の国際親善試合は10月、11月の欧州での4試合で終了した。
W杯ロシア大会から2年。そして、W杯カタール大会まであと2年のこのタイミングで、強豪のメキシコと対戦し、チームの成熟度が試されるのだろうと期待していた。本来なら、今夏の東京オリンピックの結果が森保一監督の評価へ影響を与えていた可能性もあるが、その機会も新型コロナウイルスによって、延期されている。W杯アジア予選も延期されているので、来年以降のスケジュールがどうなるのか? いろいろと積み残していることは多い。
4試合で2勝1分1敗。そのうち3試合を無失点としたものの、4試合で奪ったゴールは2得点のみ。日本時間17日に行われたメキシコ戦では、0-2で敗れている。
選手が思い出す“あのベルギー戦で……”
「(ベルギー戦が)フラッシュバックしましたね。なんで毎回こうなるんだと。2年前のベルギー戦もそうですし、勝てたじゃないかという感情がやはりあります。でも、簡単には勝たせてもらえない相手。正直またかという感じ」とメキシコ戦後、原口元気が肩を落とし語っている。
“ベルギー戦”とは、W杯ロシア大会決勝トーナメント1回戦のこと。2-0とリードしながらも、2-3と逆転された。2-2で迎えた試合終盤コーナーキックのチャンスを手にした日本だったが、そのボールはキーパーにキャッチされ、そこからのカウンター攻撃でベルギーに得点を許したのだ。
「同点のまま延長を迎える選択肢があったのではないか?」など意見が分かれる試合だったが、W杯での試合の運び方については、ブラジル大会でも課題として残った。
「このチームはW杯のベルギー戦が基準になっている。あの試合でできなかったことをこの4年で追求することがテーマの1つです。試合の中で流れを読み、自分たちで判断して、よりベターな方向に軌道修正することが、あの試合では足りなかった。森保さんもミーティングで常々言っているし、僕たちもうまく行かないときに耐える、変化を起こして軌道修正することを意識している。
そのためにも、選手だけでなく、チームとしての経験値が高くないといけない。組み合わせやラッキーな部分で、(W杯のグループリーグを)突破できる可能性があっても、その上へ行くには本当の実力がないと難しいというのをベルギー戦で感じた。そのためには個々の経験値を各々が上げて、チームとしての成熟度を高めることが課題だと感じています」
メキシコ戦を前にこう話した吉田麻也のコメントを聞きながら、思い出す興味深いコメントがあった。11月10日パナマ戦を前にした柴崎岳のコメントだ。ボールのポゼッション率について問われたときの回答だ。