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「自分自身のプレーが、自分の人生を決めていく」20歳日本代表・菅原由勢が語る“覚悟と危機感”

posted2020/11/27 06:00

 
「自分自身のプレーが、自分の人生を決めていく」20歳日本代表・菅原由勢が語る“覚悟と危機感”<Number Web> photograph by JFA

次世代を担う戦力として森保ジャパンに招集された菅原由勢だが、出場時間はわずか5分にとどまった

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了戒美子

了戒美子Yoshiko Ryokai

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 11月の日本代表オーストリア遠征で、出場機会のなかった選手が2人いる。

 ひとりはGK川島永嗣だ。チーム最年長37歳の川島は、言わずと知れたレジェンド。2015年には所属チームを失い浪人生活も経験しながら、W杯3大会で日本のゴールマウスを守ってきた。森保ジャパンが10月、11月に行った計4試合では出場がなく現状では第3GKの立場であるが、所属チームでも何度も逆境から立ち上がってきた川島が今後カタールまでの間に何かを起こす可能性はゼロではない。頼りになるベテラン選手である。

 もう一人は菅原由勢だ。久保建英の次に若い2000年生まれで、19年夏からオランダ1部リーグのAZでプレーし、10月に20歳で初代表に選出された。東京五輪が延期中であることや、欧州で行われる合宿で欧州組のみの招集と条件が重なったおかげでチャンスが巡ってきた、と言って差し支えないだろう。

 10月ラウンドには名古屋グランパスユースの大先輩である吉田麻也とのやりとりがクローズアップされた。18年ロシアW杯に挑む吉田にあてた寄せ書きで、他の選手が激励の言葉を連ねる中で菅原だけが「代表に入るので待っていてください」と書いたのだという。吉田は菅原のメッセージを覚えており、その言葉が現実となった時には「本当だったら抱きしめてあげたいくらいだけど、代表はそういう場でもない」と喜んだ。菅原は「お待たせしてすみません」とツイートした。

日本代表デビューは「わずか5分」

 とはいえ、出場機会は、10月もカメルーン戦での出場のみで時間は5分少々のみと極めて少なかった。それでも11月にも連続招集されたことは、現時点での即戦力という評価ではない。

「今回(11月)の活動でも経験ある選手たちからたくさんの刺激を受けて、成長してもらい、彼の存在価値や商品価値を上げてもらいたい」

 期待値込みでの招集であることを隠さない。

 10月下旬、AZが菅原のオンラインインタビューをセッティングしてくれた。当時、クラブは菅原の初の代表選出を本人と同じかそれ以上に喜んでいくつかのSNS投稿を行っていたこともあり、このタイミングでの日本メディアからの要望に快く応じてくれた。だが本人はわずか5分のデビューを、喜びつつも複雑な感情で捉えていた。

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