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森保Jの10番・南野拓実 リバプールで控え続きも…脱皮のヒントは“オシムのオリッチ論”では
posted2020/11/21 17:02
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Getty Images
どうしてだろう。
先月から代表合宿中の取材はすべてオンライン上で行なわれているわけだが、11月11日に南野が最初に姿を現すと、案の定、所属クラブについての質問が相次いだ。
リバプールというメガクラブに所属していて、代表合宿直前のマンチェスタ-・シティ戦でベンチ入りメンバーから外れたから、それは当然のことかもしれない。
ナーバスになっても不思議ではない。でも代表で10番を背負う南野の姿はそんな様子とはかけ離れていた。そこが不思議だった。
ビッグクラブに所属しながら思うように出場機会が得られない代表の先輩たちは、出番が少ないことを問われて、こんな風に答えることがよくあった。
「置かれている状況は僕にしかわからないので」
「代表とクラブは別物だから、クラブの話を今はしたくないです」
「勘でサッカーをやるわけではないから、クラブで試合に出ていないから試合勘がない、なんてことはあてはまらないですから」
でも、南野は違っていた。神経質になりそうな記者からの質問にこう返した。
クラブでの出場時間が短いから、ここで何かを示したい
「トップクラスの選手たちがいるなかでの自分の立場というのは、今までの状況とは違います。ただ、個人的には悲観的になっていないというか。今までもそれを乗り越えてやってきたので、今回も地道に、自分なりのペースで解決できればいいかなと思っています」
脳天気なわけでもなければ、強がっているわけでもない。
「(所属クラブで)試合出場時間が短い分、ここでのプレーで何かを示したいという気持ちは強いです」
先輩たちと違って、周囲から状況を指摘されてもナーバスにならないのは何故なのか。今回の合宿中にそんな質問をぶつけると、彼は言葉を選びながらこう返した。
「僕は(リバプールで)まだ2シーズン目で去年も半年しかプレーしていないし、先輩たちのビッグクラブで難しい時期に僕は代表で一緒にプレーしていないので、何とも言えないですけど……、僕、個人の考え方としては、良いプレーをしないとどっちでも居場所はないという危機感を常にもってプレーしています。確かにザルツブルクでプレーしていたときよりも、今のほうが周りのプレッシャーは感じますけど、今のところ、それを楽しんでやれているし。言葉で説明するのは難しいですけど、ポジティブな気持ちでプレーできています。こっちでも、リバプールに帰っても」