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「大相撲の行司さんを目指したきっかけは?」「どうすればなれる?」現役の行司さんに聞いてみた 

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飯塚さき

飯塚さきSaki Iizuka

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photograph byJiji Press

posted2020/11/07 17:01

「大相撲の行司さんを目指したきっかけは?」「どうすればなれる?」現役の行司さんに聞いてみた<Number Web> photograph by Jiji Press

今回インタビューに応えてくれた三役行司の木村庄太郎さん

庄太郎 立行司には2人いますが、ほかは1人です。やはり多くの子が15~16歳で入ってきますし、いまの私の付け人は3まわりも下ですから、孫みたいでかわいいですよ。若い子の成長を間近で見られるのも、この仕事の楽しみの一つです。

――ちなみに、新しく入ってきた行司さんのお名前は、どのように付けられるんでしょうか。

庄太郎 入る部屋によって、先輩の昔の名前を使う、部屋特有の名前を付けるなど、いろいろなパターンがあると思います。ずっと同じ名前でもいいんですが、地位が上がってくると、部屋によって伝統的な名前があるので、それをつけてもらえます。

行司さん同士って飲みに行くの?

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――普段、行司さん同士での交流はありますか。

庄太郎 もちろん、コロナ前は行司同士で飲みに行ったり食事に行ったりということはたまにありましたよ。特に、東京ではみんな自宅に帰るけれど、地方にいるときはみんな近くに泊まっているので、一緒にいることが多いんです。

――これは素朴な疑問なんですが、行司さんも皆さん各部屋に所属しているので、裁いているときに同部屋の力士に情がわくことはあるんでしょうか。

庄太郎 それはもちろん、負けてほしいなんて思う人はいませんよね。あくまで私の場合ですが、土俵上で仕切っている間は、やっぱり頑張ってほしいと思っています。でも、ひとたび「はっけよい」と言えば、頭も体も行司に戻るんです。勝負が決まった瞬間には、勝ったと思ったほうに軍配を上げているだけ。勝負がついて、後から「ああ負けちゃったのか」と思うことはあります。

――なるほど、大変興味深いお話をありがとうございます。昨今は、新型コロナウイルスの影響でお客さんの数が少なく、声援を送ることもできない状況が続いています。行司さんの目から見ていかがですか。

庄太郎 率直に寂しいです。やっぱりお酒を飲みながら盛り上がってもらったほうが、僕は好きですからね。好きな力士を応援できないなんて、お客さんも寂しいでしょう。個人的には、自分が土俵に上がっていて周りが静かなことにも違和感があって、お客さんの声が恋しいです。一日も早く、通常の本場所に戻ってほしいですね。

(【前編を読む】大相撲の行司さんって土俵裁き以外に何をしている?「じつは番付の“習字”も私たちの仕事です」 へ)

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