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【大学ランキング】夏の五輪、出身大学1位は? 福原愛も選んだ「早大トップアスリート入試」の裏側
text by
小林哲夫Tetsuo Kobayashi
photograph byTakuya Sugiyama
posted2020/10/13 17:03
卓球代表の福原愛も2007年に早稲田大のトップアスリート入試で入学している
2016年リオデジャネイロ大会では大学生金メダリストが6人も誕生した。萩野公介(東洋大)、レスリングの登坂絵莉と川井梨紗子と土性沙羅(以上、至学館大。10年に中京女子大から改称)、体操の白井健三(日本体育大)、柔道のベイカー茉秋(東海大)である。陸上男子4×100メートルリレーで銀メダルメンバーの桐生祥秀(東洋大)は、17年、日本で最初に100メートル10秒の壁を破った。大学在学中のことである。
永遠のライバル・慶應義塾大学は……
学生のオリンピック代表が年々、減少傾向にあるなか、この大会では慶應大環境情報学部が「健闘」している。セーリングの土居愛実は同学部4年で、12年大会に続き2度目の出場となった。大学体育会ヨット部には所属していない。大会前に、大学新聞が土居の様子をこう伝えている。
「メンタルの面はあまり心配していないそうだ。『ルーティーンの確立ができていれば、本番でも崩れることはない。緊張はするが、自分の対処法は持っている』と芯の強さを見せた。五輪への準備の傍ら、学業にも手を抜かない土居選手。基本的に海外合宿でレースの経験を積むため、日本での滞在期間は短く、大学にはあまり行けていないが、トレーニングの合間を縫って研究を進めている。土居さんの研究テーマは、『競技艇の再利用と環境問題』で、五輪直前のこの時期も、卒業プロジェクトに日々取り組む努力家だ」(『慶應塾生新聞』2016年7月10日)
土居は2020年東京大会に代表が内定している。
トランポリンの棟朝銀河も環境情報学部3年で、体育会器械体操部で活躍している。棟朝は高校2年で難度点の日本記録を保持しており、慶應大に入ってからその記録を更新した。結果は4位入賞である。大会後にこう話す。
「全10個ある技のうち、1つ目と7つ目に乱れがあったものの全て跳び切った。自身の点数を目にした棟朝選手は、メダルには絡まないだろうと思ったというが、初出場の五輪で4位に入り込む結果を残した。『最高の演技ではなかった』と悔しさを口にした棟朝選手。一方で、自らの実力や改善点を把握できた試合となったとも話す」(『慶應塾生新聞』2016年9月24日)