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日本ハム広報が見た“異質”な戦い。
迎えた開幕、今だからこそ一体感を。
 

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高山通史

高山通史Michifumi Takayama

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photograph byHideki Sugiyama

posted2020/06/25 11:40

日本ハム広報が見た“異質”な戦い。迎えた開幕、今だからこそ一体感を。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

開幕戦のセレモニーに登場した日本ハム栗山監督。西武との開幕カードは2勝1敗と、昨季のパ・リーグ王者に勝ち越した。

小笠原ヘッドコーチのルーティン。

 個々での意識、警戒レベルもいまだ高い。

 今シーズンから復帰した小笠原道大ヘッドコーチ兼打撃コーチ。コーチ陣は外出自粛、球団施設への立ち入りを控えるよう要請をされていた期間、自宅で待機していた。その時期に所用のため、電話した際には「今日、買い出しの付き添いで3日ぶりに靴を履いたよ。歩くだけでもいいな」と笑っていた。

 春季キャンプ時の2月からいち早く、手洗い・消毒など意識高く励行していたが、ユニホームを着用できるようになった今も、手を緩めない。特注した、こん棒のような長く、太いバットが試合前練習チェック時の必携アイテム。ペーパータオルなどに消毒液を染み込ませ、グリップ部を丁寧に拭いてから手にすることを、ルーティンにしている。「念のためな。何かあったら困るからな」と、開幕してもガードは下げない。小笠原コーチは一例ではあるが、選手個々の言動を注視していても、いまだ恐怖が存在していることは明らかである。

さまざまなサポート、メディアにも感謝。

 開幕戦を主催した6球場で、12球団の各代表がスピーチをした。その多くに、感謝のフレーズが含まれていた。

 球団の舞台裏では、マネジャー陣が様々な対策を実施した。宿泊先との細々とした申し合わせ、チーム内における予防対策ガイドラインの整備、状況に鑑みての適宜変更など、枚挙にいとまがない。それに即応したホテル関係者ら、サポートしていただいている外部業者の方々も含め、そこに身を委ねるだけの立場としては敬服しかない。それぞれが持ち場で、力を尽くして今シーズンの開幕が、実現した。

 広報としては接することが多いメディアに対しても、敬意を抱いている。球場へ入場する人数の制限、アクリル板越しでの対面取材、そして自主練習期間中のオンラインによるインタビュー。広報としても同様で、不本意であっただろう。試合が開催されず、ダメージを受けたことも想像に難くない。現場に出向けず、自宅待機を強いられた記者、カメラマンらも多かった。それでも不平不満を強く主張することなく、シーズンインまでたどり着いた。

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