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<オールラウンダーの告白>
秋山幸二「メジャーの結果を日々チェックしていた」
posted2020/06/25 15:00
text by
鈴木忠平Tadahira Suzuki
photograph by
Koji Asakura
走攻守にずば抜けた能力を持ち、黄金期のクリーンアップを支え続けた。「メジャーに最も近い」と言われた男が、AKD砲やバック宙ホームインによって得たもの、そして大リーグへの憧れを語った。(Number1005号掲載)
野球人生の大きなきっかけになったゲームがあります。1986年、広島との日本シリーズ第8戦、バック宙でホームインしたあの試合です。
あれから多くの人に認識され、見られるようになり、それによってプロとしての意識が変化しました。責任感が出て、技術を追求するようになり、怪我をしても休めないと考えるようになりました。
そして当時の西武にはそうしたプロ意識の高いメンバーがそろっていましたし、それがなくては生き残っていけなかったと思います。石毛(宏典)さん、辻(発彦)さんたちとは骨折や肉離れをしていても「まさか、それで休むわけじゃないよね」と叱咤し合っていました。
中でもファンの人たちの記憶にあるのは清原(和博)、デストラーデと組んだクリーンアップでしょうか。私は生涯、ホームランを打つことを追求して野球をやってきたので、同じチームに、自分以外に2人もホームランバッターがいるというのは大変な刺激でした。
5つ下の清原に対しては、鳴り物入りで入団してきて、「負けるわけにはいかない」という意識を持っていました。デストラーデは同い年でしたし、ともにホームランを打ちたい意識が強かったので、良きライバルでした。