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日本ハム広報が見た“異質”な戦い。
迎えた開幕、今だからこそ一体感を。
 

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高山通史

高山通史Michifumi Takayama

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photograph byHideki Sugiyama

posted2020/06/25 11:40

日本ハム広報が見た“異質”な戦い。迎えた開幕、今だからこそ一体感を。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

開幕戦のセレモニーに登場した日本ハム栗山監督。西武との開幕カードは2勝1敗と、昨季のパ・リーグ王者に勝ち越した。

円卓を囲んでいた食事会場も。

 特に顕著だったのは、チーム関係者専用の食事会場である。合流初日の入室時、既に数人の選手が食事をしていたが、景色が違った。レイアウトを一変していたためである。

 通常時は、いくつか円卓が用意されている。1卓で、最大6人程度が使用可能。外国人選手同士、また仲の良い選手らで、卓を囲んで談笑しながら食事を摂る形式となっている。しかし今は1人用の小さなテーブルを配置。教室で授業を受ける生徒の構図をイメージすると、分かりやすいだろう。一方向を向いて、各自で食事するのである。それぞれ十分な距離、ソーシャルディスタンスが保たれている。

 配膳方法にも、創意工夫が施されていた。ビュッフェ方式は同様だったが、ホテルの専属スタッフが5人程度、常駐していた。いつもは好みの料理を各自で皿へと盛り付けるが、スタッフへと口頭でリクエスト。不要な接触をシャットアウトするため、各料理の配膳担当者から、お膳へと取り分けてもらうスタイルだった。

「密」を避けるためバスは3台。

 移動手段も、微調整されていた。宿舎から球場へ、通常は大型バス2台で向かう。それでも座席数には十分に余裕があり、1人で2席程度の配分となっている。ライオンズとの開幕3連戦は、1台増やして3台。宿舎から球場までは所要時間30分程度ではあるが「密」を避けるため、万全を期していた。

 球団内の人間しか使用しないエリア、外部接触の可能性が極めて低いシーンでさえ、厳格に、いまだ新型コロナウイルスと向き合っているのである。

 1球団の例であるが、チーム内でも徹底抗戦している。外出などは「不要不急」の場合は制限がかかっており、いまだ解除はされていない。マスクを常時着用しても健康を害する恐れが少ない職種のスタッフは、それが義務付けられている。球団職員でも、業務上「必要」な一部以外は、チームとの接触を当面は控える申し合わせもある。球団としても、一丸で向き合っている。

【次ページ】 小笠原ヘッドコーチのルーティン。

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北海道日本ハムファイターズ
栗山英樹

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