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ホン・ミョンボに挑み、敗れ、学んだ。
「韓国型サッカー」とは何なのか?
text by
吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki
photograph byYONHAP NEWS/AFLO
posted2020/06/24 11:40
W杯に4大会連続出場、韓国代表史上最多136キャップを誇るスーパースターのホン・ミョンボ。大韓サッカー協会理事として活躍中。
'90年イタリアW杯以降、常にW杯と五輪に絡む人生。
'04年にLAギャラクシー(米国)でのプレーを最後に引退。まずは指導者の道を歩んだ。
'05年から'07年にフル代表コーチ。U-23代表のコーチを経て、'09年にはU-20代表の監督となった。'09年にU-23代表の監督となり'12年にロンドン五輪銅メダル。その後ヒディンクの下でロシアのチームのコーチを務め、'13年からはフル代表監督へ。ブラジルW杯の指揮を執った。
なんて輝かしいキャリア。'90年イタリアW杯以降、現職のサッカー協会の専務に就任するに至るまで常にW杯か五輪に絡む人生ではないか。
その間、一度「三浦知良について語ってほしい」というインタビューの依頼をしたが、時期が合わず断られた。
ホン・ミョンボに学ぶ「弱者の意識からの開き直り」。
一方、この人物は興味深い言葉の発信源でもあった。'13年6月25日の韓国代表監督就任会見時の言葉こそは、韓国サッカー界からの発信のうち、もっとも日本から注目すべきものだ。
「ワールドカップ本選で、韓国より水準の低いチームは率直なところ無いのが事実だ」
「“韓国型サッカー”を作り、本大会に臨む。勤勉性、誠実さ、チームへの犠牲精神をもっても戦術は作れる。世界のサッカーの戦術は大きくは変わらない。ピッチのどこでプレスをかけ、どこでボールを奪うかの違いだ。そこを考えていく」
「弱者の意識からの開き直り」。日本にとっても考えるべきところだ。2010年南ア大会はその意識を持ちベスト16。'14年ブラジル大会はこだわりが強くグループリーグ敗退。その後のハリルホジッチ監督の下で時間をかけての「弱者の意識」からのチーム作りがあったかに見えたが、途中解任で結論を見ることはなかった。