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日本を熱狂させた魂のバトンパス。
リオから東京に繋ぐ37秒60の記憶。

posted2020/06/20 18:00

 
日本を熱狂させた魂のバトンパス。リオから東京に繋ぐ37秒60の記憶。<Number Web> photograph by Taketo Baba/JMPA

銀メダルを獲得した四人は遠く離れたリオデジャネイロの地から日本中を熱狂の渦に巻き込んだ。東京五輪への期待が高まる。

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折山淑美

折山淑美Toshimi Oriyama

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Taketo Baba/JMPA

 コロナ禍で多くのスポーツが影響を受けるなか、NumberWebでは、『Sports Graphic Number』の過去の記事から、「こんなときだからこそ読んで欲しい」と思う記事を特別公開します! 今回は、リオオリンピックの陸上男子4×100mリレーで銀メダルを勝ち取った4人の秘話をお届けします。100mのファイナリストも9秒台もいなかった彼らが、米国に競り勝ち世界で2着に入った――。底力を見せつけ日本中を熱狂させた魂のバトンパスをもう一度振り返ります(2016年8月26日発売/Number9月9日増刊号より)。

リオ五輪子4×100mリレーの記憶

 予感は、前日からあった。

 8月18日の男子4×100mリレー予選2組目。日本チームは、5分前に中国が塗り替えたばかりのアジア記録を0秒14更新する37秒68を叩き出した。

 男子短距離リレー担当の土江寛裕コーチも、驚きを隠さなかった。

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「37秒台は出ると思ったが、いきなり(37秒台)中盤とまでは考えていなかった。中国が先にアジア記録を出した時は『ヤバイ』と思ったが、それをさらに更新したのをみて彼らの能力の限りなさを感じた」

 選手たちの意識は土江コーチの思惑をも上回っていた。飯塚翔太は「37秒6を出せたのは嬉しいが、練習の出来からすれば可能性があるタイムだったので……」と語り、山縣亮太も、「37秒60くらいを出さないとメダルには届かないと思っていたので、そのタイムを目標にしていた」と話した。

【次ページ】 「全員が高い走力を持っていた」

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