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「浦和も大事な故郷になったから」
ポンテとレッズ、最強の相思相愛。
text by
島崎英純Hidezumi Shimazaki
photograph byGetty Images
posted2020/04/09 11:30
2007年のJリーグMVPに輝くなど、「ロビー」ことポンテのプレーは浦和サポーターのハートをつかんだ。
ACL制覇もロビーの貢献なくしては。
2007シーズンのAFCチャンピオンズリーグ制覇もロビーの貢献なくして成し得なかった。クラブ史上初の海外アウェー公式戦となったシドニーFC(オーストラリア)戦では前半早々に2失点する窮地でロビーが追撃のシュートを叩き込み、永井雄一郎のゴールをもアシストして試合をドローに持ち込んだ。
グループリーグ第5節のペルシク・ケディリ(インドネシア)戦はケディリのスタジアムが試合開催の要項を満たさずに首都ジャカルタから遠く離れたソロ・シティという町で実施されたが、試合会場のマナハン・スタジアムのピッチは泥だらけでボールが30センチも転がらなかった。
そんな劣悪な環境下で浦和は小野伸二のPKで先制したものの、追いつかれて逆転された。しかしロビーのゴールで試合を振り出しに戻したのだ。結局3-3で試合を終えた後、40度近い熱気のこもる陰鬱なマナハン・スタジアム場内のミックスゾーンで、ロビーは茶目っ気のある笑顔を浮かべながら、こんな話をしてくれた。
「どこでプレーしてもサッカーはサッカーだよ。寒くても暑くても、することは同じ。ピッチが悪かったら、できるだけボールを地面に付けないでプレーすればいいんだ。手以外は身体のどの部位を使うことも許されているんだからね」
そんなロビーが決めたゴールは、右サイドからのクロスをワンタッチで落とし、間髪入れずに放ったジャンピングシュートだった。
決勝戦でも必殺のゴールパターン。
決勝第1戦のセパハン(イラン)のホームスタジアム、フーラド・シャハールスタジアムは砂漠の真ん中にあった。
気温30度、湿度30パーセント以下という過酷な環境でロビーが相手GKを見据えてゴール右へ通したシュートは、彼のプロサッカー人生を支え続けた必殺のゴールパターンだった。
敵将のルカ・ボナチッチ監督が「あれだけ警戒していたのに、やはり相手の10番にやられてしまった」と苦虫を噛み潰す中で、僕らはペルシャの地で輝く彼の逞しい姿を誇らしく思った。