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「浦和も大事な故郷になったから」
ポンテとレッズ、最強の相思相愛。
posted2020/04/09 11:30
text by
島崎英純Hidezumi Shimazaki
photograph by
Getty Images
2005年7月15日、浦和レッズはドイツ・ブンデスリーガのレバークーゼンでプレーしていたロブソン・ポンテと2006年1月1日までの半年契約を交わした。
当時の浦和は、エースストライカーだったFWエメルソン(マルシオ・パッソス・ジ・アルブケルケ)が急遽カタールのアル・サッドへ移籍したことで戦力補強が急務だった。そこへ28歳のバリバリのブンデスリーガーがやってくるというのだから、その期待感で胸が高鳴ったのを覚えている。
ここからは、ポンテのことを尊敬と愛着の念を込めてニックネームである“ロビー”と記述する。
「新しい背番号10の姿をお見せする」
前シーズンのチャンピオンズリーグでレアル・マドリーを4-1(2戦合計)で下したチームの一員だったロビーが浦和へやってきたのには、幾つかの運、そして必然がある。当時のロビーはレバークーゼンとの契約交渉が難航して新天地での戦いを模索していた。そんなとき、元ドイツ代表DFのギド・ブッフバルトが指揮を執る日本のクラブへの移籍を代理人から打診された。
「最初は『(この代理人は)良い話ばかり言って、僕をだまそうとしてるのかな』なんて、勘ぐったりもした(笑)。でも、実際に日本へ来てレッズへ加わったら、こんなに良いクラブはないと思えたんだ。今では、その代理人に感謝しているよ」
浦和に来て初めてロビーと話したときの会話は今も鮮明に覚えている。もちろんポルトガル語通訳を介してだが、「浦和にはエメルソンという背番号10の選手がいたが……」という質問に対し、彼は堂々とした態度でこう応えたのだった。
「浦和に素晴らしいブラジル人ストライカーが居たことは知っている。でも、彼と僕は違う。約束するよ。僕はこれから、君たちに新しい背番号10の姿をお見せする」