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「浦和も大事な故郷になったから」
ポンテとレッズ、最強の相思相愛。
text by
島崎英純Hidezumi Shimazaki
photograph byGetty Images
posted2020/04/09 11:30
2007年のJリーグMVPに輝くなど、「ロビー」ことポンテのプレーは浦和サポーターのハートをつかんだ。
Jデビュー戦で正確無比なゴール。
Jリーグデビュー戦となった2005年8月20日、FC東京戦でのゴールは鮮烈だった。1-1で迎えた54分、彼は敵陣中央で相手ボールホルダーへ猛烈にアプローチしてボール奪取し、そのまま一直線にバイタルエリアへ侵入して狙いすました右足シュートを突き刺した。
その冷静沈着な振る舞い、抜群の戦況把握能力、正確無比なシュート能力はもちろんのこと、局面で一切手を抜かずにファーストディフェンスした彼の挙動に唸ってしまった。ヨーロッパの第一線で活躍する選手は攻守両面に渡って献身を絶やさない。そのプロフットボーラーとしての高潔な姿勢に、僕は大きな感銘を受けたのだった。
「ドイツでの経験は大きかった」
とかくブラジル人選手は時間にルーズで、練習に身が入らず、本番のピッチだけに全精力を注ぐと言われる。
その点についてロビーに聞くと、「すべてのブラジル人が駄目だと言っているわけではないよ。あくまで統計学的なことだけどね(笑)」と前置きした上で、自らのパーソナリティについてこう語ってくれた。
「僕にとってドイツでの経験は大きかった。それはサッカーの面だけでなく、僕自身の人格形成の面でも。ドイツへ渡ったときの僕はまだ若かった(23歳でブラジルからドイツへ)。よく、『ブラジル人は時間を守らない、規律を守らない、勝手気ままだ』と言われる。実は僕も若い頃はそうで、好きなようにやろうとしていた。でも、それでは駄目だということをドイツで知ったんだ。
ドイツには自らを律する風土がある。そんな中ではしっかりとした規律の中でプレーする必要があって、そのように振る舞わないと活躍することなどできない。ドイツでのさまざまな経験を経て、それが僕の人生を左右したのは確かだと思う」