スポーツ百珍BACK NUMBER
Jでゴール荒稼ぎの外国人点取り屋。
番付にすると、横綱は誰になる?
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byToshiya Kondo
posted2020/04/04 11:40
東京V、浦和で活躍したFWワシントン。大きな体を生かしたフィジカル、そして軽やかなボールさばきが絶品だった。
“当たり”のガンバ、最強は黒豹か。
外国籍選手の“当たり”が多いイメージが強いのはガンバ大阪だろう。特にマグロン、アラウージョ、マグノ・アウベス、ファン・ウィジョはすぐ思いついたが、お荷物クラブ扱いされていた'90年代にもヒルハウス、プロタソフら「ああ……いたいた」という選手が地道に得点を積み重ねていた。
そして何よりエムボマというとんでもないストライカーがいたのだから、外国籍選手が当たっているイメージは自然と強くなるだろう。
そのエムボマ、調査前は「ブラジル人以外の横綱、絶対にエムボマでしょ」と思っていた。でも結果は前頭2枚目。自分で基準を決めといて何なのだが、どうも納得できずガンバ時代とそれ以降の数字を調べた。
1997年:28試合25得点(G大阪)
1998年:6試合4得点(G大阪)
2003年:23試合13得点(東京V)
2004年:12試合4得点(東京V)、6試合2得点(神戸)
2005年:4試合0得点(神戸)
もしガンバ時代の1年半と2003年のJ復帰1年目の成績だけにすると57試合42得点と、間違いなく三役クラスの数字である。2004年にはアフリカ選手権で得点王を獲得するなど実力はなおも十分だっただけに、その後苦しめられたケガさえなければ……という思いは強い。
総得点数でランキングすると……。
エムボマ以外にも、出場試合数との兼ね合いで泣く泣く番付が下の方になったり、そもそも入っていない選手もいる。彼らの名誉のために、すべての外国籍選手通算得点ランク上位5人とJ1在籍シーズン数も示しておこう。
1位:マルキーニョス
152得点/15シーズン
2位:ウェズレイ
124得点/10シーズン
3位:ジュニーニョ
116得点/9シーズン
4位:エジミウソン
111得点/9シーズン
5位:ルーカス(FC東京ほか)
90得点/9シーズン
※268試合出場。1試合平均0.336
これだけのシーズン、J1に在籍したということが彼らの価値でもある。その他にも名古屋で猛威を振るったケネディ、ジョーも「前頭8枚目や十両じゃもったいないよな……」と感じる名選手だ。
逆に50試合にわずか及ばなかった面々でも凄い選手はいる、その筆頭は“レオ様”ことレオナルドだ。ジーコに請われて鹿島に在籍したのは3シーズン、出場試合は49試合で30ゴール、1試合平均にすれば0.612。ウィルを上回る数値はMF登録ながらやはりスーパーだった。
同じMFで言えばストイコビッチも0.310。3試合出れば1ゴール決めるくらいの割合で、実際にリーグ戦で3度の2ケタ得点を記録している。絶妙のパスで味方にアシストを量産しながらのゴール数なのだから、やはりスペシャルな存在である。