話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
5月9日のJ再開が難しければ大胆に。
4カ月間ショートリーグ制の提案。
posted2020/04/02 18:00
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
Getty Images
プロ野球界で新型コロナウイルス感染者が出た後、サッカー界でも3月30日にヴィッセル神戸の酒井高徳選手が感染していることが発表された。芸能界では志村けんさんが新型コロナウィルスの肺炎で死去したが、これから芸能界やスポーツ界にも感染が広がっていく可能性は否定できないだろう。
これまでJリーグはJ1・J2の第1節終了後の2月28日、まず3月15日までの試合の延期を決定した。その後、再開予定が4月3日に再延期に。そして3月末時点ではJ3を4月25日からスタートさせ、J2は5月2日、J1は5月9日からの再開を目指している。
これに合わせて「J1・J2への降格なし」「リーグ全体の試合消化が75%以下の場合、昇格なし」という今季のルールを明確にした。
選手も感染リスクをぬぐい切れない。
延期の理由としては、観客の体温を測るサーモメーターなどがそろわず、感染予防策が十分に取れないと判断したためである。無観客試合の構想もゼロではなかったが、村井満チェアマンがそれを「最後の手段」として回避した。
ファンあってのサッカーであり、J2、J3には入場料収入が運営基盤のクラブが多いためだ。再開後2カ月程度は遠距離移動を伴うアウェーのサポーターに観戦自粛を求め、観客席は座席の前後左右を空けて使用するという方針も決めた。
しかし選手に感染者が出たこと、そして今なお感染が拡大している状況を考えると5月9日のリスタートは予断を許さない状況だ。
サッカーができたとしても選手や関係者、ファンの安全をどう担保するのか。サーモメーターやマスク、手の消毒だけで感染を完全に防げるわけではなく、必ずリスクはつきまとう。選手も前泊のホテル、ロッカールーム、シャワールーム、給水のペットボトル、プレス対応のシーンで感染のリスクを完全には拭いきれない。