スポーツ百珍BACK NUMBER
Jでゴール荒稼ぎの外国人点取り屋。
番付にすると、横綱は誰になる?
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byToshiya Kondo
posted2020/04/04 11:40
東京V、浦和で活躍したFWワシントン。大きな体を生かしたフィジカル、そして軽やかなボールさばきが絶品だった。
強力外国人が日本人DFを育てる。
錚々たる面々が並ぶ中で冒頭に挙げたドウグラスとジェイが、それぞれ前頭にランクインしているのは立派だろう。2人は2010年代において、数字面においても屈指のストライカーなのだ。
特にドウグラスは徳島時代の2014年、J1を経験したが13試合無得点に終わっている。その後京都を経て広島に移り、2015年に33試合21得点を挙げて決定力が花開いた。3年の時を経て日本に戻り清水へ加入し、2シーズン45試合で25得点。広島と清水時代だけで言えば、78試合46ゴールという強烈な成績だ。
以前、FC東京で急成長中のセンターバックである渡辺剛に話を聞いた際のこと。プロ入り1年目となった昨季、マッチアップして最もインパクトを受けたFWとしてドウグラスの名を挙げて「CKでドウグラス選手をマークしていたんですが、難しい体勢からオーバーヘッドを打たれたんです(シュートは林彰洋がセーブ)。その時、この選手は身体能力が違うなと感じました」と話していたのが印象に残っている。
今季から神戸へと加わった万能型ストライカーは、イニエスタからのパスや酒井高徳、西大伍からのクロス、古橋亨梧らとのコンビネーション……様々なシュートパターンが想像できるだけに、つくづく新型コロナウイルスが恨めしい。
外国籍ストライカーがもたらしたもの。それは各クラブを栄光に導くゴールだけでなく、日本人DFのレベルアップもある。ワシントンにやられた形になった中澤だってそれをバネにマリノスの堅守を築き、2010年南アフリカW杯ではエトーらのストライカーに仕事をさせなかったわけである。渡辺も「今季対戦する時には(ドウグラスを)完璧に抑えられるようにしたいです」とも話していた。
そんな白熱したマッチアップをまた見られると信じて――今は名ストライカー達の動画をお家で漁るように見て、彼らの偉大さをもう一度体感しようと思う。
(※編集註:NumberWebのホームページ以外でご覧の読者は、番付表についてhttps://number.bunshun.jp/articles/photo/843088 をご参照ください)
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