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巨人の極端な阪神“ボーアシフト”。
効果を清原、松井の打撃論から考察。 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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posted2020/03/13 20:30

巨人の極端な阪神“ボーアシフト”。効果を清原、松井の打撃論から考察。<Number Web> photograph by KYODO

「バースの再来」、「バース2世」とも称されるボーア。阪神ファンからの期待は大きいが“シフト”をかいくぐれるか。

原監督の腹の括り方。

 意識して違うことをやると、打撃のバランスを崩しかねない――だとすればボーアに対して極端な守備シフトを敷いて意識させることは、単純にその打席の安打を阻止するためだけのものではなくなるはずなのである。

 シフトに対して典型的なプルヒッターのボーアが流し打ちをしたり、普段は絶対に見せないバントの仕草を見せる。

 そこには意識して普段とは違うことが入ってくる。そうやって普通に打たせないことが、“ボーアシフト”に込められたもう1つの狙いであったはずだ。

 おそらく原監督は「ホームランや長打を打たれなければいい。単打なら許容範囲」という腹の括り方をしているのだろう。

 そのことは得点圏に走者を置いた1回の2死二塁の場面では通常の守備位置だったのに、先頭打者で迎えた2度の打席になると野手を動かしたところに感じられる。

単純にその打席だけではない二重、三重の罠。

 その中でシフトに対してそれでもプルヒットを止めなければ、当然、網に引っかかって安打性の打球がアウトになるケースも出てくる。

 逆にシフトを意識して逆方向やバントなど小細工を考え出したら、ボーアがボーアらしさを失うきっかけになるかもしれない。

 試合の第1打席だけシフトを敷くだけでも、シフトを解いたときには、引っ張りを意識して力が入るケースも出てくるかもしれない。

 単純にその打席だけではない二重、三重の罠がそこには仕掛けられているのである。

 極端な王シフトに対して「頭の上を越えてスタンドに放り込めば関係ない」とひたすらフルスイングを繰り返したのは王貞治現ソフトバンク球団会長の現役時代だ。

 だからこそ868本塁打という数字とともに「世界の王」は生まれた訳である。

 そこまでボーアが自分を変えずに打席に立てるか。ボーアがシーズンに入っても虎の4番を任されるなら、巨人は尚更、相手の主砲の封じ込めには力を注ぐはずだ。

 そのために原監督はいまから静かに動いている

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