欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
南野拓実の移籍は相乗効果だらけ。
リバプール冬の新加入は成功例多し。
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph byGetty Images
posted2019/12/20 11:50
リバプールで背負う「18番」にサインする南野拓実。カイトら名選手がつけた番号を、自分の色に染めてほしい。
カイトがつけた18番を背負って。
背番号は18に決定した。
1~15番は空いていない。1月に退団しそうな選手の持ち物を引き継ぐのは忍びない。大きすぎる番号も避けたい。トレント・アレクサンダー・アーノルドは66番。アメリカン・フットボールじゃないんだから……。
実は17番も素敵な選択肢だった。2000-01シーズンから4年間、スティーブン・ジェラードが背負っていた伝統の背番号である。荷が重いとはいえ、ジェラードを継承するのなら選手冥利に尽きる。
また、ザルツブルクを経てサウサンプトンから移籍してきた当時のサディオ・マネが2シーズンほど19番を背負っていた。ザルツブルクからリバプールへ──は南野と同じ道のりであり、マネが大成功しているため、19番も悪くない番号だった。
ちなみに18番はラファエル・ベニテス体制下のリバプールを超人的な献身性で支えた、あのディルク・カイトの背中で躍動していた。サポーターに愛された男の背番号は、南野にもよく似合うだろう。
冬の新加入で成功が多いリバプール。
さて、冬の新加入は失敗例が多い。
限られた時間のなかで完璧なフィットを求められるからなのか、戦略・戦術、そして環境に馴染めないままに終わる選手も目立っている。
チェルシーはゴンサロ・イグアイン、フアン・クアドラード、フェルナンド・トーレスが軒並み失敗した。昨シーズンのアーセナルではデニス・スアレスが、2017-18シーズンのマンチェスター・ユナイテッドではアレクシス・サンチェスが、周囲の期待を裏切っている。
そんななか、リバプールは成功例が多い。一昨年のファンダイク、2013年のフィリペ・コウチーニョ、2011年のルイス・スアレス、2006年のダニエル・アッガーといったところは、いずれもサポーターから熱狂的に支持された。
コウチーニョはバルセロナを経てバイエルンに、スアレスはバルセロナに去り、アッガーはすでに引退しているが、ファンダイクは健在であり、南野の獲得をクロップ監督に進言したひとりだ。
短期間でフィットする対策を、世界最強にして最高のDFがアドバイスしてくれるに違いない。南野にとっては非常に大きなメリットだ。