欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
南野拓実の移籍は相乗効果だらけ。
リバプール冬の新加入は成功例多し。
posted2019/12/20 11:50
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph by
Getty Images
「ボス、あの選手を獲りましょうよ。ウチでも絶対に通用しますから、是非お願いします」
いまから16年前、マンチェスター・ユナイテッドのリオ・ファーディナンドとライアン・ギグスは、アレックス・ファーガソン監督にひとりの選手の獲得を進言した。
その男の名はクリスティアーノ・ロナウド。
当時、スポルティング・リスボンに所属していた彼はプレシーズンマッチで強烈なインパクトを残し、ユナイテッドで絶大な影響力を誇示していたギグスとファーディナンドの心を動かすことに成功したのである。
「タクミ・ミナミノは素晴らしい選手ですよ。ボス、あの男を獲ってください」
リバプールのジョーダン・ヘンダーソンとビルヒル・ファンダイクが、ユルゲン・クロップ監督にリクエストしたという。キャプテンとDFリーダーが獲得を依頼するとは、C・ロナウドと同じパターンだ。
セレッソ時代から着目していた。
いま、南野拓実は大きな飛躍のときを迎えようとしている。
現地時間12月19日。「南野の獲得でザルツブルクと基本合意に至った」と、リバプールの公式サイトが発表した。
アーセナルの稲本潤一、宮市亮、ポーツマスの川口能活、トッテナムの戸田和幸、ボルトン・ワンダラーズの西澤明訓、中田英寿、ユナイテッドの香川真司、レスターの岡崎慎司、サウサンプトンの李忠成、吉田麻也、ニューカッスルの武藤嘉紀に続く、日本人12人目のプレミアリーグ戦士が誕生したのである。
いくつかの情報を総合すると、リバプールは南野がセレッソ大阪でプレーしていた頃から着目していたようだ。強化担当スタッフを秘密裡に派遣し、チェックを欠かさなかったとも伝えられている。