欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
南野拓実の移籍は相乗効果だらけ。
リバプール冬の新加入は成功例多し。
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph byGetty Images
posted2019/12/20 11:50
リバプールで背負う「18番」にサインする南野拓実。カイトら名選手がつけた番号を、自分の色に染めてほしい。
3トップ、インサイドハーフでも。
さらに夏・冬を問わず、ファンダイク、マネ、ジョエル・マティプ、ジョルジニオ・ワイナルドゥム、アリソン、ファビーニョなど、クロップ監督のリクエストで獲得した選手の大半が成功している事実も心強い。彼の慧眼は誰もが認めるところだ。それほどの男の目に、南野は叶ったということだ。
南野が加わっても、リバプールは不変だ。高いインテンシティを保ち、30シーズンぶりとなるプレミアリーグ優勝とチャンピオンズリーグ防衛のダブルに向け、練度と密度に磨きをかける。
そして南野は不動の3トップ、ロベルト・フィルミーノ、モハメド・サラー、マネのバックアップを完璧にこなし、なおかつ中盤インサイドでも貴重なピースになることを要求されるだろう。
CLよりもタフなプレミアで輝け。
プレミアリーグはチャンピオンズリーグよりもタフだ。
トップ10はもちろん、ボトム10にも未知なる才能を秘めた選手がいる。彼らにとって南野は格好の獲物だ。「名門リバプールに上陸した初めての日本人」を痛めつければ、名前が上がる。厳しい洗礼は覚悟しなければならない。
しかし、決して足を止めない南野のプレースタイルは、クロップ監督が標榜するヘヴィメタル・フットボールにもよくマッチするはずだ。
どこかのスポンサーが年収を肩代わりしたり、マーケティング効果のみを期待されたり、政治的な背景は一切ない。クロップ監督と強化担当が十分に調査し、主力が獲得を進言した。
くどいようだが、南野は実力でリバプールの一員になったのである。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。