欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
南野拓実の移籍は相乗効果だらけ。
リバプール冬の新加入は成功例多し。
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph byGetty Images
posted2019/12/20 11:50
リバプールで背負う「18番」にサインする南野拓実。カイトら名選手がつけた番号を、自分の色に染めてほしい。
「ミナミノっていい選手らしいぞ」
2015年1月、南野がザルツブルクに移籍すると調査の回数は増え、スタジアムでリバプールの関係者が頻繁に目撃されている。
当然、強化スタッフはクロップ監督に報告し、その動きは選手たちの耳にも入っていたに違いない。
「ミナミノっていい選手らしいぞ」
そして今シーズンのチャンピオンズリーグで対戦。実際に対峙し、改めて南野の才能を感じ取ったヘンダーソンとファンダイクが、獲得を強力にプッシュするまでに至ったようだ。
現ヨーロッパチャンピオンのリバプールが認めた男、それが南野である。
序列を考えてみると相乗効果が。
現時点で南野は前線、中盤インサイドのバックアッパーと考えられるため、追い出される選手が出てくる。前線の筆頭はリアン・ブリュースターだろうか。下部組織出身の有望株とはいえ、南野と違って中盤インサイドには対応できない。「1月のローン移籍は確実」と報じるメディアも徐々に増えてきた。
中盤インサイドではアダム・ララーナが危ない。17節終了時点でわずか7試合の出場、先発は2試合しかない。狭いスペースでも自在にボールを扱える繊細なボールタッチは捨てがたいものの、インテンシティがクロップ監督の求めるレベルには達していないようだ。
また、スイス代表のジェルダン・シャキリやイングランド代表のアレックス・オクスレイド・チェンバレンも、南野の加入で刺激されるだろう。強力なライバルの出現でベンチにすら入れないケースも増えてくる。
おまんまの食い上げ→日々の練習に熱が入る→チームが活性化する。南野の加入に伴う相乗効果だ。