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FAはメジャー131人、日本は一桁。
これでは選手の待遇は上がらない。

posted2019/12/07 20:00

 
FAはメジャー131人、日本は一桁。これでは選手の待遇は上がらない。<Number Web> photograph by GettyImages

日本ではFA宣言することは「所属チームへの裏切り」と見る人も根強い。秋山翔吾などは幸福なケースなのだ。

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ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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 12月4日、ニューヨーク・メッツからフリーエージェント(FA)になっていた29歳のザック・ウィーラー投手が、メッツのライバルであるフィラデルフィア・フィリーズと5年総額1億1800万ドル(1ドル110円換算で129億8000万円 以下同様)で契約するというニュースが飛び込んで来た。

 それはつまり、アメリカのプロ野球の一軍で5年間プレーして通算44勝38敗、防御率3.77という数字を残せば、約130億円もの大金を手にできるということを意味している。

 右肘靭帯の手術から、およそ二年のブランクを経て復帰した2017年、ウィーラーは防御率5.21、WHIP(イニング当たりの与四球と被安打率)1.59と苦しんだが、2018年の後半戦は防御率1.68、WHIP0.81と同年のサイヤング賞投手で同僚のジェイコブ・デグロムが同時期に記録した防御率1.73、WHIP0.83を上回る成績で「未来」を感じさせた。

 今年(2019年)は防御率3.96、WHIP1.26と前年ほどのインパクトはなかったが、フィリーズが大金を投じた理由はその「未来」にある。

4シーム型へ変身する可能性も?

 たとえば今オフ、ウィーラーと同じようにアストロズからFAになったゲリット・コールはパイレーツ時代、主に内野ゴロを打たせるために2シーム・ファストボールを全投球の18.1%で使用していた。

 しかしアストロズ移籍後の2018年、「突出した球速や回転数の4シーム・ファストボールをもっと、投球に反映させるべき」と分析したチームとミーティングを重ねて4シーム主導の投球にマイナーチェンジして「メジャー屈指の先発投手」になると、今年2シームの割合を0.4%まで減らして20勝投手となり、サイヤング賞候補(防御率2.50、WHIP0.89)にもなった。

 ウィーラーも今季、メッツで2シームを全体の29%で使用しており、平均球速がメジャー4位の96.7マイル(約155.7キロ)を記録した4シームは同30%に過ぎなかった(STATCAST AIによる)。

 被打率と被OPS(出塁率+長打率)を見ると、2シームが.298と.488で、4シームが.240と.337。明らかに4シームの方が好成績だったことを考えると、ウィーラーが「アストロズ流」で投球内容を変え、フィリーズで成功してもおかしくない。

【次ページ】 メジャーでは今年131人がFAになった。

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