草茂みベースボールの道白しBACK NUMBER
原監督も提言するDH制導入の是非。
現役選手たちはどう捉えている?
text by
小西斗真Toma Konishi
photograph byKyodo News
posted2019/11/07 08:00
10月23日の日本シリーズ第4戦。原辰徳監督が見つめる中、坂本勇人が空振り三振に倒れ、ソフトバンクの3連覇が決まった。
中日・大野は「個人としては賛成」。
最後がセ・リーグ最優秀防御率に輝いた大野雄大(中日)だ。
「採用する理由によりますよね。それが負けているからということなら、敗因はもっと他のところにあると思っているので。
でも、選手としての立場なら大賛成です。何よりも投げることに集中できる。打撃を練習でやるのは気分転換になったり、楽しさもあるんですが、試合の中では周囲の皆さんが思っているより負担になるんです。(打撃は得意ではないが)打てるかどうかより、準備に対してですね。僕は交流戦での成績もいいと思っているし、好きなんですが、そこも関係しているのかなという自己分析です」
3人に共通しているのはパが強いのは認めるが、制度の違いで負けているわけではないという点だ。それはアスリートの性ともいえるし、戦っている当事者の実感、さらには安易な採用への警鐘とも受け止められる。
国際大会ではDH制が大前提。その一方でセパの違いがあるからファンの議論を呼び、楽しめる。思慮深い原監督のことだから、単なる個人の思いつきを口にしたのではなく「巨人軍の姿勢」を巧みに発信した可能性がある。しかし、ここから流れが一気に加速するとしたらいかがなものか。あくまでもきっかけとして、議論を活発に、慎重に深めた上での結論(採用)なら現役選手やファンも納得できるのではないだろうか。