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プレミア12初戦で薄氷の逆転勝利。
「国際試合では逆方向」を徹底せよ!
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鷲田康Yasushi Washida
photograph byKYODO
posted2019/11/06 12:00
![プレミア12初戦で薄氷の逆転勝利。「国際試合では逆方向」を徹底せよ!<Number Web> photograph by KYODO](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/5/3/700/img_53840607fcdfec46db4b532eb807cef5144642.jpg)
ベネズエラ戦の8回、勝ち越しの押し出し四球を選びガッツポーズする近藤。
ベネズエラ投手陣が大乱調で逆転。
山田に押し出し四球で1点差とすると、続く菊池涼介内野手(広島)が、狙いすましたように初球を左前に弾き返して同点に追いつく。
さらに近藤健介外野手(日本ハム)の押し出し四球で勝ち越すと、鈴木誠也外野手(広島)の犠飛、申告敬遠を挟んで代走で出ていた源田壮亮の内野安打、丸の押し出し四球とこの回だけで7四球というベネズエラ投手陣の大乱調につけ込んで6点を奪い、一気の逆転劇で白星を手にした。
「本当に選手はよくつないで粘り強く闘ってくれたと思う。フォアボールは相手がくれたと言われるけど、そうではなくて打ちたいところを我慢して、しっかりとったフォアボールだった。明日につながる勝ち方だったと思います」
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試合後の稲葉監督は上気した表情で、この逆転での白星スタートを振り返った。
スーパーラウンド進出が断たれる可能性もあった。
もし負けていれば残りのプエルトリコ、台湾との試合を連勝しても、2勝1敗で3チームが並ぶケースも想定できる。そうなると得失点率の差によっては東京で行われるスーパーラウンド進出が断たれる可能性すらある大ピンチだった。まさに薄氷を踏んでの初戦勝利は、世界一奪取への可能性をつないだ1勝と言えるものだったのである。
これが国際大会の難しさなのだ。
「去年の日米野球も逆転サヨナラ勝ちだったし、国際試合の初戦というのはこういう試合になるケースが多い。とにかくここからどう修正すべきところは修正するかですね」
こう語ったのは井端弘和内野守備・走塁コーチだ。
苦戦の原因を探れば、とにかく打てていないことにある。
沖縄で行われたカナダとの練習試合を含めて、得点は相手のミスがらみが多く、しっかりと相手投手を攻略できていないのが、今後の戦いを考えていく上では注視すべきテーマであるはずだ。