プロ野球亭日乗BACK NUMBER
プレミア12初戦で薄氷の逆転勝利。
「国際試合では逆方向」を徹底せよ!
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKYODO
posted2019/11/06 12:00
ベネズエラ戦の8回、勝ち越しの押し出し四球を選びガッツポーズする近藤。
拾った勝利でも勝ちは勝ち。
マン振りが売りの吉田正尚外野手(オリックス)が1、2打席ともフルスイングで打ちにいってどん詰まりの左飛に倒れたのがいい例だった。
そうして前でさばいて遠くに飛ばそうとするのではなく、ポイントを近づけて鋭く逆方向に打ち返す。内川と同じく侍ジャパンの常連で、小久保裕紀前監督時代には4番を任されたDeNAの筒香嘉智外野手も「動くボールを打つには逆方向を意識したほうがはるかに確率が上がると思う」と語っている。
どこまでその逆方向への意識を徹底できるか。そこが今後の打線の1つのテーマになるはずである。
「国際試合は独特な雰囲気があるし、まず勝つことが大事。だから今日の勝利はよかったですよ。誰が活躍したかというのは関係ないし、その中で選手1人1人が勝つためにどうやって貢献できるかと頑張るだけ」
試合後にこう語ったのはチームリーダー的存在の松田だった。
拾った勝利、貰った白星でも勝ちは勝ちである。この貴重な白星から侍打線がどう変われるか。世界一奪取には、そこが大きなポイントとなりそうである。